手入れ不要なグランドカバー:ガーデニング初心者のラク楽庭づくり
手入れ不要なグランドカバーでストレスのないお庭作りを
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お庭の管理、ストレスになっていませんか?
特に、今年の夏は異常な暑さだったこともあり、お庭から足が遠のいた方も多かったことでしょう。
この記事は「お庭管理をしたくない!」というガーデニング初心者さんが、手入れ不要なグランドカバーを取り入れることで管理のストレスから解放され、お庭を楽しまれている内容をご紹介する記事となっています。
彼女の経験を通じて、お庭のお手入れの手間を最小限にする秘訣をご紹介いたしますね。
忙しい日常に負担をかけずに、お庭管理を楽しむ方法を見つけていきましょう。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
グランドカバーは植えたいけど管理はしたくない

「お庭の管理をしたくない。」
お庭のお手入れが大好きな方でも、今年の夏のような炎天下や雪が舞い散る厳しい寒さの日なら、頭の片隅をよぎった事もあるのではないでしょうか。

今回ご紹介するガーデニング初心者の方は、お庭作りされる前から同じような願望をお持ちの方でした。
彼女は、フルタイムママで単身赴任の旦那様とお子さまが2人。
実質、1人で家事や子育てをしながら仕事もするという、多忙な日常を過ごされています。

そんな彼女の具体的な願望は・・・
「キレイなお庭が欲しい。
でも、管理はしたくない。
いや、かけられない。
できたら最低限のお手入れで楽をしたい!」というもの。
一見、とても叶いそうにない願望でもありますよね。
そんな彼女が、どのようにして「手入れ不要なグランドカバーのある庭」を作っていったのでしょう。
手入れ不要なグランドカバーの選び方
種類を厳選

彼女はグランドカバーの手間を省くために、いさぎよく日向、半日陰、日陰用と「3品種のみ」にしぼっていました。
初心者であれば、それぞれのグランドカバーの特徴や育て方などを覚えることも大変です。
種類があればあるほど覚えることが多くなり、大変ですよね。
それが大きなストレスになると感じ3品種のみに絞ったそうです。

また、手間を省くために3品種のみ取り入れたことのメリットを、実際のお手入れ時に実感できたとのことです。
お庭に出た時に「このグランドカバーって水撒き必要だった?カットして良かった?」などと迷う時間がないので、短時間で作業ができたとの事でした。
お庭で悩む時間や考えたりするストレスがなく淡々と作業できるので、作業の継続が面倒という意識が無くなっていったそうです。
「品種を絞ったことで手入れの手間を省けて良かったと思っていたけど、それ以上に作業に対するネガティブな気持ちが薄れていった!」という言葉が印象的でした。

お庭を作ると、ついつい欲張って様々な品種のグランドカバーを植えたくなるものですよね。
しかし、品種が増えれば増えるほど「管理する数が増える」わけです。
それが返ってストレスになると考えた彼女は、グランドカバーの厳選を徹底的に行いました。
お庭管理を長く行うためにも、いさぎよく品種を絞ることも大切なのかもしれませんね。
「購入する!」と決めたものしか買わない

お庭作りを始めると、園芸雑誌や園芸店などで、それまでは気にしていなかった植物との出会いがあります。
それは、とても素敵なことです。
しかし、ちょっとデメリットもあります。
筆者も経験がありますが、購入する植物を決めていても園芸店で様々な植物に目移りしてしまうのです。
そして、気がつけば、予定外の植物までシッカリ購入している事が多いのです。

彼女は、決めたもの以外には目もくれず、メモしたものを淡々と購入し買物をサクッっと終わらせたようでした。
簡単なようで、意外とハードルが高いミッションですよね。
彼女は、「種類が増える=管理が増える=自分が大変になる」ということを、つねに頭に入れていたようです。
お話を聞かせていただきながら、筆者も見習いたいと思った次第です。
植え替えが必要な一年草は除外

グランドカバーを3品種に絞っただけではなく、グランドカバー以外の植物も多年草と宿根草に絞ったとのことでした。
一年草は、品種にもよりますがシーズンごとにお手入れに時間を要します。
さらに、一年後には整地して新たに植える作業が必要になるので管理の手間がかかります。
逆に、多年草や宿根草は植え付け時に手間がかかるくらいで、一年草に比べると管理が楽です。

一般的な宿根草の一年の流れとして、春になると地中からニョキニョキと新芽が出てきます。
夏に葉や花を楽しんで、秋になると地上部が枯れるのでカット。
そして、冬には地中で冬眠し春になると再び新芽が出てくるというサイクルです。
お手入れをした方が良いタイミングもありますが、面倒な作業が少ないのでストレスが少ないのも宿根草の特徴でしょう。
また、宿根草は株が大きくなればどんどん手もかからなくなるというメリットもあります。
手入れ不要なお庭を目指す方であれば、積極的に取り入れていきたいですよね。

また、ここ数年は、雑木林など自然な庭作りが好まれる傾向にあるので、ナチュラルな雰囲気が出せる宿根草は人気があります。
鮮やかなカラーの一年草と比べると地味だったり質素な雰囲気がある宿根草ですが、ナチュラルな雰囲気の庭作りにはピッタリなのです。
エリア別の手入れ不要なグランドカバー
日向のグランドカバー:ポリゴナム

自宅敷地の南側道路沿いに植栽。
科名:タデ科
別名:ヒメツルソバ・カピタツム
原産地:ヒマラヤ
草丈:5~10cm
ポリゴナムは、横に這うように広がっていく多年草で非常に丈夫です。
茎の節の部分が地面に接すると、そこから根をおろしてどんどん広がります。

実際に植えてみると次第に成長し、ふと気が付くとエリア外に伸びている事もあるそうです。
当初は、はみ出した部分だけをカットしていたそうですが、はみ出した部分をカットしただけでは直ぐに伸びてきて作業回数が増えていくと分かったので、現在は茎をたどっていき根元付近から抜いているとのことでした。
ポリゴナムは植えた株元から放射状に広がっているので、1本程度抜いても気にならないようです。
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また、ポリゴナムはピンク色の可愛らしいお花が特徴的ですが、秋以降には茎や葉が赤く紅葉するので一年を通して色の変化が楽しめます。
お手入れ不要というポイントでポリゴナムを選んだので、嬉しい誤算だったらしいですよ。
ポリゴナムのように色の変化を楽しめるグランドカバーを選んだことで、お庭の彩りが豊かになるというボーナスが付いてきたのは嬉しいポイントのようでした。
半日陰のグランドカバー:苔

自宅敷地の西側、お隣の家があり日中数時間しか陽が射さないエリア。
科名:スギゴケ科
別名:ジュニパーヘアキャップ、コケ、杉苔
原産地:全大陸
草丈:1~5cm

実は、別のグランドカバーであるグレコマを植えていたそうですが、いつの間にか苔が生え始めて自然にエリア拡大していったそうです。
その様子を見て「苔なら西側庭を覆ってくれるのではないか?」と思い、試しに苔を購入し追加で植えてみたら次第に苔庭に変わっていったとのことでした。

このように、ガーデニングをしていると自分が植えていない植物が元気よく育つことがあります。
種が飛んできたり鳥のフンなどに混じっていた種から自生することがあるのです。
自然に繁殖していくということは、エリアの環境が合っているという事なので活用するのもアリですよね。
ちなみに、彼女の西側エリアでのグレコマの成長はグランドカバーとしてはイマイチという感じらしいです。
しばらく様子をみて、これ以上期待できなければ抜いてしまう予定との事でした。
日陰のグランドカバー:リュウノヒゲ

自宅敷地の北側、お隣の家が迫っており殆ど行かないエリア
科名:キジカクシ科(ユリ科)・ジャノヒゲ属(オフィオポゴン属)
別名:玉竜(タマリュウ)、蛇の髭(ジャノヒゲ)
原産地:日本、朝鮮半島、中国
草丈:5~15cm
半日陰から日陰までカバーしてくれる常緑多年草のリュウノヒゲ。
育てやすくて管理不要なので、お庭の空いたスペースにも取りいれるなど活用場面が多いグランドカバーになります。
日向でも育つので、コンクリート駐車場の隙間や玄関周囲の縁取りとして使われていることが多いですね。
成長も遅いので、気がついたら大きくなっていた!ということがない品種です。

今回、リュウノヒゲを取り入れた理由は、ほとんど踏み入れない北側だけど雑草だらけになり見苦しくなるのは回避したかったからとのことです。
行くことはないけど、手入れ不要な常緑のグランドカバーを取りいれてスッキリさせたいという希望で取りいれられていました。
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北側へリュウノヒゲを植えて以降は、覗きこまない限り窓から見えることもないので、リュウノヒゲのことはスッカリ忘れてしまっているそうです。
また、敷地内の北側に行くこともないので、管理は本当に全く行っていないそうですが、理想通りの手入れ不要な緑のジュータンが完成していました。
他の植物や植栽があると落ち葉や他の管理が出てくる、とにかく北側に行くことがない、北側景観は期待していないという理由から、リュウノヒゲのみという潔い北側のお庭でした。
行かない、見ないエリアであれば、潔く割り切るのも良いですよね。

ただ、リュウノヒゲを取りいれる中で1つ大変だった事があるそうです。
それは、リュウノヒゲを1株1株植えていくのが手間がかかり大変な作業だったという事でした。
しかし、植えて以降の手間のかからない日常を考えればリュウノヒゲを取りいれて良かったという感想をいただきました。
手入れ不要なグランドカバーで庭を楽しもう

みなさんのお庭の管理が楽になるようなヒントはあったでしょうか。
お庭での時間は楽しみたいけれど、お手入れに負担を感じてしまうのは本末転倒となってしまいます。
自分の生活を楽にするためにも、グランドカバーを冷静に選んでいらっしゃったのが印象的でしたね。
自分のお庭に合った手入れ不要なグランドカバーを選んで、ストレスが少なく長く楽しめる美しい庭を目指していきましょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡