最強?最凶?ヒメイワダレソウって植えてはいけないの!?
「ヒメイワダレソウって植えてはいけないの?」という疑問に経験者が答えます

繁殖力が旺盛なヒメイワダレソウの管理が追いつかず、困っていませんか。
ネット検索すると「植えてはいけない」「後悔」「失敗」の文字が上位にあるので、ヒメイワダレソウを植えたことを後悔している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ヒメイワダレソウは「適した場所」に植えればメリットを最大に引き出すことができます。
これまで筆者が訪問してきたお宅の中には、ヒメイワダレソウがグランドカバーとしての役割を果たし生き生きとしたお庭作りをされている方達がいらっしゃいました。
みなさん、ヒメイワダレソウの特徴をとらえ適した場所で上手に活用されていたのです。
この記事では、ヒメイワダレソウを育てた筆者の経験とヒメイワダレソウを植えている様々なお宅に伺った時の様子をもとに、ヒメイワダレソウのメリットを最大に引き出す育て方をお話ししますね。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
ヒメイワダレソウを植えてはいけないエリア
限られた狭いエリア

ヒメイワダレソウは繁殖力があるのでエリア内を覆ってしまうのはあっという間です。
グランドカバーとして取り入れた方にとっては大満足な結果ですよね。

しかし、覆った後もヒメイワダレソウの繁殖力は止まりません。
安心して他の植物管理に夢中になっていたりちょっと目を離している間に、ヒメイワダレソウはエリア外に侵入してしまうのです。
もちろん、エリアからはみ出してしまったヒメイワダレソウは剪定などを行えばコントロール可能です。
しかし、忙しい日常の中でヒメイワダレソウの成長スピードを意識しながら作業するのは難しいですよね。
しかも、ヒメイワダレソウは勢いを増して横に広がるだけではありません。
塀や壁などをつたって縦へ伸びていく場合もあります。

それでも、どうしても狭いエリアにヒメイワダレソウを植えたい場合には1株から始めてみませんか。
植えたエリアの環境によっても生育度の違いがほんのちょっとだけ違うようなので、お試しから入るのがオススメです。
まずは1株で様子をみましょう。
足を踏み入れないエリア
足を踏み入れないエリアにヒメイワダレソウを植えた場合、どうなるでしょう?
ヒメイワダレソウはフンワリと大らかに成長し、やがてヒメイワダレソウ同士が複雑に重なりあい始めます。

やがてミルフィーユ状態になると、表面のヒメイワダレソウは生き生きとしていますが下層のヒメイワダレソウには日が当たらず茶色く枯れスカスカになるのです。
そして、最終的には表面のヒメイワダレソウの一部も枯れはじめ見苦しい見た目になります。
筆者宅も毎日通る玄関前エリアをキレイにしたくてヒメイワダレソウを植えたのですが、かえって見苦しくなりストレスが大きかったです。
足を踏みいれないエリアだったためヒメイワダレソウは暴れ放題でした。
最終的に「継続した管理が難しい」という理由で全て抜いてしまったのです。

しかし、同じ玄関周囲でもちょっとだけエリアを変えればヒメイワダレソウをグランドカバーとして生かす方法があります。
オススメはご自宅の玄関アプローチ沿いです。
このエリアは日常生活を送りながら必ず足を踏み入れるエリアですよね。
耐踏性が強いヒメイワダレソウは踏まれることで密になり勢いも減速するので、暴れ放題になることがありません。
家族以外に宅配屋さんや郵便配達の方も通るのでアプローチに侵入したヒメイワダレソウは必ず踏まれます。
画像のお宅では、アプローチ脇のヒメイワダレソウもあえて踏んで歩きボリュームが出ないように工夫をされているとのことでした。
5人家族の毎日の往復だけでもボリュームが抑えられるようですよ。
このように、「足を踏み入れる」をポイントに植えるエリアを考えると良いでしょう。
さらに、他のお宅ではカーポート前の縁取りとしてうまく活用されていました。
毎日の車の入出庫によってヒメイワダレソウが踏まれ、葉が小さく密になっていますよね。
毎日踏まれることでフワフワと暴れてしまうヒメイワダレソウのボリュームを抑えることができて、密で背の低いグランドカバーになっています。
エリア外への多少の侵入も気にならないレベルです。
同じエリアにお気に入りの草花がある

残念ながら、ヒメイワダレソウは同じエリアに咲くお気に入りの草花にも絡みます。
横にグングン伸びるだけでなく草花や幹があると立ち上がって絡んでしまったり、お庭に置きっぱなしにしている鉢なども覆われることもあるのです。
中低木であれば幹に絡まるくらいで問題ないですが、愛情こめて育てたお花がヒメイワダレソウに覆われるのは避けたいですよね。
ヒメイワダレソウを植えるエリアとお気に入りの草花を植えるエリアは分けた方がベストでしょう。
ヒメイワダレソウの魅力が高まる植え方
走り回れるお庭のグランドカバーとして

耐踏性があるヒメイワダレソウにピッタリな環境は、お子さんやペットが走り回れるようなお庭です。
お子さんをお庭で遊ばせたくて芝生などを植えられる方が多いですよね。
芝生って本当に気持ちが良いですか?
実は、裸足で踏んだ時の感触を比べるとヒメイワダレソウのほうが圧倒的に柔らかく気持ちが良いことをご存知でしょうか。

芝生は葉先がツンツンしていますがヒメイワダレソウの葉は丸みがあり柔らかいのです。
素足で踏んだ時に、芝生には特有の不快感がありますがヒメイワダレソウにはないので踏んだ時のストレスがありません。
走り回れるグランドカバーとしてベストなのはヒメイワダレソウでしょう。

また、踏むことでボリュームがなくなり密になるヒメイワダレソウは、虫たちが隠れにくくなるので「虫が隠れていてビックリした!」なんてこともないでしょう。
お子さんとお庭をかけまわりながらグランドカバーの整備ができるなんて一石二鳥だと思いませんか!
境界線がある街中より郊外のゆるっとした土地

繁殖力があるヒメイワダレソウ。
住宅街でヒメイワダレソウの勢いある様子を見かけると「乱れている」「繁殖し過ぎている」「手入れが大変そう!」などネガティブな印象をうけます。
境界線がキッチリと分けられた街中であればあるほど、ヒメイワダレソウの力強くて大らかな点がデメリットとして捉えられがちです。
お隣さんとの関係次第では気を遣われることも多いのではないでしょうか。
しかし、田園風景なども楽しめる郊外のゆったりとした地域では、そんなヒメイワダレソウもすんなりと馴染んでしまいます。
ヒメイワダレソウが多少の侵入をしていたり繁殖し過ぎていても目立たないのです。
また、敷地の外へ垂らしコンクリート壁面を覆う工夫をされているお宅もありました。
ヒメイワダレソウのグリーンカーテンです。
これこそヒメイワダレソウの繁殖力を逆に応援したくなるような活用方法で周囲の環境とも馴染んでいますよね。
多少暴れても全く気にならないという感じでしょうか。

他にも、郊外の山あいに暮らすお宅にお邪魔する機会がありました。
人家から離れ静かな環境で丁寧な暮らしをされているお宅。
リビング前の広いお庭では伸び伸びとヒメイワダレソウが育っていました。

お子さん達が自由に走り回ることでヒメイワダレソウのボリュームが抑えられ、グランドカバーとしての魅力が発揮された素敵なお庭でした。
そんな広いお庭の端っこでは踏まれる率が少ないヒメイワダレソウが勢いを増して立ち上がっていたりします。
しかし、周囲の風景の中には雑草や木々が伸び伸びと育っておりヒメイワダレソウの勢いも気にならないのです。
逆に、ひっそりと咲くお花が可愛らしい印象でした。
わが家が手をこまねいていたヒメイワダレソウの印象とは、まるで違います。
お手入れを尋ねてみると、気が向いた時に他の雑草と一緒にサクサクッとカットされているとのことでした。
ヒメイワダレソウが植えられているお庭の先にはご迷惑をかけるお隣さんもいないので、ゆるく管理されていましたよ。

繁殖力のあるヒメイワダレソウも、育てる環境次第で印象が大きく変わります。
グランドカバーとしての役割を最大に発揮できるかどうかを左右するのは、私達が植物の特徴をうまくとらえることが出来るかどうかなのかもしれません。
ヒメイワダレソウにこだわらないという考え方もあります
走り回れるお庭がなかったり街中の環境で大らかに育てられないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方の場合はヒメイワダレソウにこだわる必要はありません。
グランドカバーになる植物は種類が多いからです。
筆者宅は、ヒメイワダレソウを抜きポリゴナムをグランドカバーとして植えています。
これも、様々なグランドカバーを試してみての結果です。
このエリアで生き生きと咲き、勢いをコントロールしやすいのがポリゴナムでした。

みなさんも気になる植物があったら1株購入して試してみませんか。
植物の本やネット検索で出てくる基本情報を元にグランドカバーを探している方が多いと思いますが、植えてみると基本情報通りになることは少ないです。
完璧な条件だと思って植えてもうまく育たなかったり期待せず植えた植物が生き生きしていたりするなんていうことは、よくある話です。

筆者宅でも、東西南北や周辺の建物の位置などで日当たりや風の強弱、土などの状態が変わります。
東と南の同じ日当たりが良い条件のエリアで同じ植物を植えても、成長具合が大きく変わることは日常的です。
画像は建物に囲まれた半日陰の西側エリアになります。
植物にとっては条件が悪そうな環境ですが、なぜか生き生きと植物が育ちグランドカバーも完璧です。
「わが家の庭には何が合うのかな?」と楽しみながら1株から試してみましょう。
みなさんのお庭にあったグランドカバーが見つかるはずですよ。
植えてはいけない訳じゃない!ヒメイワダレソウは植えるエリアを考えよう

ヒメイワダレソウは植えてはいけない訳ではなく、植えるエリアを考えれば素敵なグランドカバーになることが分かって頂けたでしょうか。
植物の個性をメリットデメリットと感じるのは、植物を植える私達の育て方次第なのです。
自由奔放で踏まれ強いヒメイワダレソウ。
みなさんのお宅で生き生きと育ってくれるエリアを探してみましょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡