【人気の家庭果樹】ブルーベリー栽培の方法と育て方のコツをご紹介
初心者におすすめの庭木兼果樹のブルーベリー

樹高が低く、ほぼ放任でも育てることができるほか、春には白く可愛らしい花を咲かせ、夏には果実、秋には紅葉と1年中楽しめるので、庭木として人気の高いブルーベリー。
ブルーベリーは、食べておいしいのはもちろんのこと、植える種類を気を付けるだけで、ほぼ間違いなく収穫ができ、難しい剪定や受粉などの必要がない夢のような果樹なのです。
今回はそんなブルーベリーの育て方を、忙しい方でもサッと読めるように、できるだけ簡単にご紹介します。
ぜひ参考にして、ブルーベリーの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
目次
ブルーベリーの品種選びのポイント
ハイブッシュ系

ブルーベリーの栽培で一番重要なのが、品種選びです。まずは、お住まいの地域で育てやすい品種を理解します。
ブルーベリーの品種は100種類以上とも言われていますが、タイプ別に大きく分けると、ハイブッシュ系とラビットアイ系に分かれます。
ハイブッシュ系は、さらにノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュに分かれます。
ノーザンハイブッシュは、寒さに強いタイプで、-20度まで耐えられます。そのため北海道から中国地方まではノーザンハイブッシュがおすすめです。
サザンハイブッシュは、もともと寒地栽培向きだったノーザンハイブッシュを暖地でも栽培できるようにと開発されたのが始まりです。
その為、サザンハイブッシュは、耐寒温度は-10度程度で関東から沖縄までの栽培が可能です。
ラビットアイ系

ラビットアイ系は、アメリカ南部に自生していたものを品種改良したものですので、暖地栽培向きの品種となります。サザンハイブッシュと同じ栽培地域が目安です。
ちなみにラビットアイ系は、実が紫色に熟す前に、ウサギの目のように赤くなることからその名がついています。
品種選びのポイント

お住まいの地域に適したタイプを理解したら、次は品種選びです。
ブルーベリー栽培の最大のポイントは、
「同じタイプの違う品種を選ぶ」
ということです。
ブルーベリーは1本では実付きが悪いため、受粉樹が必要になります。受粉樹を選ぶ際は、同じタイプの違う品種を選ぶのが基本です。
「ノーザンハイブッシュ系のブルーベリーであれば、ノーザンハイブッシュ系の別の品種を一緒に育てる」ということになります。
中には1本で実がつくものもありますが、受粉樹を一緒に植える方が実付きが良く、実も大きく成長します。
組み合わせの例として
ノーザンハイブッシュの「ブルーレイ」(中大粒・甘い・6月中~7月中旬収穫)と、
同じくノーザンハイブッシュの「ダロウ」(大粒・やや甘い・6月下~7月下旬収穫)といった感じです。
品種の組み合わせは、お好みで好きなものを選んで問題ありません。
食味の違うものをチョイスしてみたり、収穫時期をずらすことで長く収穫を楽しむこともできます。
ブルーベリーの土壌について
多くの果樹は弱酸性から中性の土を好みますが、ブルーベリーは酸性の土を好みます。ブルーベリーを中性やアルカリ性の土で育てると、肥料の吸収が上手くできず枝などの生育が悪くなってしまいます。
そのため植え付けの際は、庭植えならピートモスを土に混ぜる、鉢植えの際はブルーベリー専用の土を使うなどの対応が必要です。
ブルーベリーの栽培カレンダー

ブルーベリーは管理作業が少ないので、ほぼ放任でも実を収穫することができます。
ですが、酸性土壌を好むところや、剪定にひこばえを利用するところなど他の果樹と違うポイントが少しあります。
そのポイントさえ抑えておけば、初心者でも簡単に栽培することができますよ。
ここからは、栽培カレンダーに沿ってブルーベリーの管理作業の手順・ポイントを1つずつご紹介していきます。
ブルーベリーの育て方①:基本作業(通年)
水やり
・鉢植えの場合
ブルーベリーは水を好み、乾燥すると生育が悪くなってしまう恐れがあるので、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいまでたっぷり水をあげましょう。
特に鉢栽培は水分が抜けやすいので、夏場は朝夕の2回、それ以外の季節は1日1回を目安に水やりをします。
水やりには水の補給以外に、土の中の空気や養分を交換する大切な役割もありますので、十分な量の水をあげる必要があります。
・地植えの場合
多くの果樹は、地植えで育てる場合水やりは不要ですが、ブルーベリーは根が乾燥に弱いため、夏場は1日1回程度の水やりが必要です。
土が乾燥してくると枝がしおれてくる傾向がありますので、土の状態を観察し、必要に応じて水やりを行ってください。
肥料
1年の間に元肥、追肥、お礼肥の3回に分けて施します。
一度に大量に肥料を施しても、根が傷むか、吸収されないうちに根の範囲外に流れ出てしまうからです。
3月に元肥として、ゆっくり効果の持続する有機質の肥料、5月に果実肥大を助ける追肥として化成肥料(チッソNーリン酸PーカリK=8-8-8のものなど)、9月に消耗した木に養分を与えて回復させるお礼肥として化成肥料を施すのが一般的です。
ブルーベリーの育て方②:植え付け(11月~3月)
ブルーベリーの植え付けは休眠期の11~3月ごろに行うのがベストです。
・鉢植え
鉢底に鉢底石を入れ、ブルーベリー用の土(または酸度無調整のピートモスと野菜用の土を5:5で混ぜたもの)を鉢の半分程度入れます。
そこに苗を根を広げながら入れ、さらに上から土をいれます。
最後に30cm以上の枝を1/2程度切り返し、水をたっぷりやれば植え付けは終了です。
・露地植え
直径70cm、深さ50cm程度の穴を掘り、酸度無調整のピートモスと腐葉土を5:5で混ぜたものと土を混ぜ、真ん中に苗を植えます。
乾燥予防のために、株元に落ち葉や腐葉土で覆い、鉢植えと同じように30cm以上の枝を1/2程度切り返し、たっぷりと水をやれば完成です。
ブルーベリーの育て方③:収穫(6月~9月)

品種によって異なりますが、6月頃から除々に収穫シーズンに入ります。
実だけでなく、軸の色も赤紫に色づいていれば完熟し、甘みがのっている証です。完熟したものから順次収穫していきましょう。
ブルーベリーの育て方④:剪定(12月~3月)

ブルーベリーの剪定の手順は以下のとおりです。
①ひこばえを間引く
②徒長枝(上向きに長く伸びた枝)や、枯れ枝、混み合った枝など不要な枝を切る
③長い枝の先端を切り詰める
ひこばえとは株元付近から生える枝のこと。ひこばえは混み合わない程度に間引きます。枝が古くなったときや、樹高が高くなりすぎたときに若いひこばえに切り替えることで、長く収穫でき、さらにコンパクトな株に仕立てることができます。
また、ブルーベリーは枝の先端付近に花芽(最終的に果実になる部分)をつけるため、全ての枝を切り詰めてしまうと実がつかなくなってしまいます。
30cm程度の長い枝、間引かず残したひこばえを⅓~¼程度切り詰めるようにしましょう。
まとめ

ブルーベリーの栽培のポイントは以下の3点。
・受粉樹は同じタイプの違う品種を植える
・土はピートモスを混ぜるなどして酸性にする
・水をしっかりあげる(特に夏場!)
このポイントさえ守れば、初心者の方でも育てることができます。
花や紅葉も楽しみつつ、実もたくさん収穫できるブルーベリー栽培を楽しんでくださいね。