農薬を使わなくても栽培しやすい果樹5選!薬剤を使わないための工夫も解説
農薬を使わなくても栽培しやすい果樹はある?

「果樹を育ててみたいけど、できるなら農薬を使わずに育てたいな…」
「農薬の量をできるだけ減らして果樹を育てるには、どうすればいいんだろう?」
このようにお悩みではないでしょうか?
果樹は虫がついたり病気になったりしやすいので、生育途中に農薬を使い予防・対処するのが一般的です。
これは、農家さんが果樹を育てる際にも当たり前に行われていることです。
ただ、果樹は実を直接口に入れるものなので、自分で育てるのであればできるだけ農薬を使いたくない・減らしたいとお考えの方も多いはずです。
そこでこの記事では、農薬を使わなくても栽培しやすい果樹をご紹介した上で、薬剤を使わないための工夫も解説します。
この記事は、お忙しい方のために、目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか、気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
農薬を使わなくても栽培しやすい果樹5選
それでは早速、農薬を使わなくても栽培しやすい果樹をご紹介していきます。
農薬が不要なことはもちろん、初心者の方でも管理が簡単なものを厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
ブルーベリー

ブルーベリーはその育てやすさから、家庭栽培できる果樹として最も人気が高いといっても過言ではない果樹です。
やるべき作業が少ない・虫がつきにくい・病気にも強いなど、初心者の方にとってよいことづくしなことが、選ばれる理由となっています。
ただ、ブルーベリーが実をつけるには「お住まいの地域の気候に合った系統を選ぶ」「同じ系統の中から2本組み合わせて選ぶ」など、一定のルールを守らなければならない点には注意が必要です。
◆ブルーベリー苗の正しい選び方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→ブルーベリー苗の失敗しない選び方!相性の良い組み合わせや購入時期も解説
ヤマモモ

ヤマモモも、目立った病害虫による被害はないため、農薬に頼らなくても育てやすい果樹のひとつです。
ヤマモモには、自力で根に窒素分を供給する「根粒菌」がつく性質があるため、肥料もさほど必要としません。
また、根粒菌がつくことでやせ地でも育てやすいと言われています。
ただし、高木化しやすいという特徴も持っているため、庭に植える際は選定や仕立てなどで樹高を調整するのがよいでしょう。
イチジク

イチジクは、品種選びを間違えなければ農薬なしでも十分に育てられる果樹です。
イチジクには、実をつけるタイミングごとに「夏果専用種」「秋果専用種」「夏秋果兼用種」の3種類があります。
「夏果専用種」は収穫が梅雨時期と重なり病害虫のリスクが高まってしまうため、農薬に頼らず育てるのであれば「秋果専用種」を選ぶか「夏秋果兼用種」を選んで秋果だけ収穫するのがおすすめですよ。
◆イチジクの育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→イチジクの育て方!実をつけるにはどうしたらいい?【プランター・庭植え】
ポポー

ポポーとは、収穫から完熟までが1週間ほどと非常に早く流通が難しいことから「幻のフルーツ」とも呼ばれることのある珍しい果樹です。
樹皮や葉の部分に「アセトゲニン」という強い殺虫成分が入っており、害虫を寄せ付けません。
そのため、ポポーの多くは無農薬で栽培されています。
完熟した果実は甘味が濃厚で、ドロっとしたクリーム状になるのが特徴。
「せっかくなら普通では手に入らない珍しい果樹を育ててみたい!」という方におすすめです。
◆ポポーの育て方を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→幻のフルーツ!美容効果の高いポポーの育て方と食べ方【農家さんからのアドバイスも】
フェイジョア

シンボルツリーとして人気の高いフェイジョアも、農薬を使わなくても育てやすい果樹のひとつです。
病害虫による被害が少ないため「シンボルツリーになる果樹を植えたいけど、栽培するのが始めてだから不安…」という方からも選ばれています。
品種によって1本で実をつけるものと2品種以上植える必要なものがありますので、購入時によく確認することをおすすめします。
果樹栽培で農薬を使わないためにできること
果樹はそもそも虫がついたり病気になったりするリスクのあるものですが、少しの工夫でそのリスクを軽減できます。
ここからは、果樹栽培でできるだけ農薬を使わないためにできることをご紹介します。
落ち葉を処分する

果樹を含めた樹木の落ち葉には、病気のもととなる菌や虫が付着していることがあります。
そのため、放置したままにすると菌が繁殖したり、虫が越冬する場所となったりしてしまうのです。
落ち葉は焼却処分するか、深さ20cm〜30cmほどの穴に埋めて処分しましょう。
剪定枝・枯れ木を処分

剪定後などに枯れ込んだ枝には、病原菌が付着している可能性があります。
また、剪定枝で幼虫が冬眠していることもあります。
どちらも病害虫の温床となるため、落ち葉と同様に深い穴に埋めるか焼却処分にしましょう。
雨よけをする

果樹にとって雨は水分補給になる一方で、多すぎると病害の原因になってしまうこともあります。
そのため、地植えであれば専用のビニールハウスを設置する、鉢植えであれば屋根のある場所で栽培するなどの工夫をすることで、農薬に頼る回数を減らせるでしょう。
下草を生やす

下草を生やすことで虫の居場所ができ、クモなどの天敵がハダニなどの害虫を食べてくれます。
また、下草を定期的に刈り込み、土にすき込むことで、菌の多様性を維持し土壌を起因とする病害の予防にもつながります。
ただし、草刈りなどの作業負担が増えるため、手間を考慮して導入するか否かを決めましょう。
粗皮を削る

木が大きくなると、粗皮(木の皮)が厚くなり内側でカイガラムシなどの害虫が越冬することがあります。
また、褐斑病などの病原菌が付いている可能性もあります。
鍬や鎌などを使用し粗皮を剥いで、焼却処分または穴を掘って埋めましょう。
病気・虫の発生が著しい場合は農薬を使って対処するのが無難

病害虫に強い果樹を選んでも、病害虫が発生しない工夫をしたとしても、病気・虫が発生する可能性をゼロにはできません。
もし、病気・虫が発生してしまい「病気が広がってきた」「虫が以前より多くなってきた」という場合は、素直に農薬を使って対処するのが無難です。
そのままにしておくと最悪の場合枯れてしまうこともあるため、病気・虫の発生が著しい場合はできるだけ早く対応しましょう。
まとめ
最後に、農薬を使わなくても栽培しやすい果樹をおさらいしておきましょう。
・ブルーベリー
・ヤマモモ
・イチジク
・ポポー
・フェイジョア
農薬を使わなくても栽培しやすい果樹を手に入れて、自分だけの無農薬果樹栽培をスタートしましょう!