アジサイ(紫陽花)の挿し木|初心者でも買わずに増やせるコツを教えます!
初心者に伝えたい!アジサイを挿し木で増やすコツ

アジサイは「挿し木」という方法で増やせることをご存知ですか。
もしかしたら、毎年アジサイを買い続けているガーデニング初心者さんも多いのでは?
挿し木をマスターすれば、初心者の方でも好きな品種を自分で増やすことが出来て毎年の園芸店廻りをする必要がなくなります。
さらに、一から育てあげたアジサイには何ものにも代えがたい愛情を感じることが出来るでしょう。
アジサイ挿し木歴5年の筆者も、毎年、挿し木をしながらお庭のアジサイが増えていくのを楽しんでいますよ。
今日から初心者の方でも出来る方法なので、早速チャレンジしましょう。
この記事は、お忙しい方のために
目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか
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目次
アジサイの挿し木のメリット
好きな品種を自分で増やせる

アジサイは挿し木をして育てていけば、自分の好きな品種を増やすことができます。
品種が多い中で散々まよって購入してきたアジサイ。
美しく咲き誇り暮らしに豊かさをもたらせてくれると、お庭の他のエリアにも同じアジサイを植えたくなりますよね。
そんな時に、お気に入りのアジサイの挿し木を行いましょう。
翌年から、みなさんのお庭にさらに彩りをあたえてくれますよ。
注意点として、営利販売目的は禁止されているので自分で楽しむことを基本とされてくださいね。
園芸店廻りをしなくていい

購入してきたアジサイが予想以上に美しく、お気に入りになってしまう事もあるでしょう。
翌年、アジサイの品種名を確認し園芸店やホームセンターの園芸コーナーに行くのですが、メジャー級のアジサイでない場合は出会えないこともあります。
実は、挿し木をする前までの筆者も自分のお気に入りのアジサイを探し続けていました。

しかし、アジサイの挿し木方法さえ分かっていれば購入する必要がないのはもちろん、探す手間もなくなりますよね。
その分、お気に入りのアジサイに愛情をタップリかけられ、年々じぶんが思い描いているお庭に近づいていくのです。
とっても理想的だと思いませんか。
愛情レベルが上がる

挿し木から育てたお気に入りのアジサイが、お庭で美しく咲き誇る姿に感動しない方はいないでしょう。
同じアジサイでも、購入してきたアジサイと比べると開花した時の高揚感が全く違います。
挿し木からの成長をずっと見守っているので、わが子が初めて立っち出来た時やランドセルを背負った時のような感覚に似ているかもしれません。
この胸が熱くなる想いを、初心者のみなさんにも体感してほしいのです。
アジサイの挿し木をする前に
挿し木に適した時期

ネット上では時期の幅がありますが、大体5~7月が一般的のようです。
晴天時よりも雨天や曇りの日がオススメとなっています。
準備する物
コップ:カット直後の挿し穂(枝からカットして挿し木用に作った枝)を水に浸すため
挿し木用ポット:挿し木を育てるため
割りばし:挿し穂をスムーズに差し込むため、支柱やペグなどでも代用可
用土:小粒の鹿沼土が推奨されています
発根促進剤:確実に発根させたい方はを使用するのもありです
他:鋏やスコップ、園芸用手袋など
アジサイの挿し木方法
勢いのある枝を選ぶ

花が咲いた枝、花が咲かなった枝、どちらでも大丈夫です。
まだ花がキレイでカットするのに躊躇するのであれば、花が咲かなかった勢いある枝にすると良いですね。
下2節ほどを残してカットしてください。
挿し穂を作る
この枝からは、2本の挿し穂がとれました。
カットされた上部は使いません。
それぞれの一番上の葉だけ残して、下の葉は全て取り除きます。
残した上の葉のカット
残した上の葉は、水分蒸発を防ぐために1/3~1/2カットします。
挿し穂下部を斜めにカット
浸水時に水分吸収できる面を多くするために、挿し穂下部を斜めにカットしましょう。
キレイな断面になるように、清潔で刃こぼれのないカッターを使用してください。

ここで重要なポイントがあるので、かならず守ってくださいね。
アジサイは水を好む植物です。
カット直後から水分蒸発が始まるので、アジサイをカットする前にコップに水を入れ、カットしたら直ぐに水に漬けられるようにコップを準備しておくのがベストでしょう。
「枝からカット→葉を落とす→挿し穂となった下の部分を斜めにカット」
この工程を、いかに素早く行うかが重要なのです。
筆者は、残りの葉の1/3~1/2を切り落とす作業を浸水させながら行っています。

と言っても、初心者の方だと手際よく出来ないですよね。
そんな時は、晴天の日を避けて雨天時に作業してみましょう。
雨天時は空気中の水分も多いので、多少慣れない作業でも慌てる必要はありません。
筆者は、あえて雨天時を選び作業を行っています。
挿し木からアジサイを育てるワクワク感の方が大きいので、多少濡れることも楽しんでいるという感じでしょうか。
浸水作業
水に1時間以上つけます。
この時間を利用して挿し床を作っておきましょう。
挿し床作り

挿し床作りは、ビニールポットなどに小粒の鹿沼土を入れ水をタップリかけておくのが一般的です。

ここで、筆者が毎年行っている挿し床作りを少しご紹介します。
挿し床1つ1つに挿し穂を挿していき、1ヶ月したらひと回り大きい鉢に植えかえる作業があるのですが、ここがどうも面倒くさく感じるのです。
植え替え時期って、ちょうど夏に入り蚊もいるし暑いし費用も掛かります。
そこで、筆者は大きめの鉢にまとめて挿しています。
発根する予定の1ヶ月後もそのまま様子を見て、冬になったら大きな鉢への植え替え、または地植えにするのです。
発根しなかった挿し穂(要は、失敗したということです)は葉が枯れてくるので、気が付いたら直ぐに抜きます。

挿し木用の土の基本ルールでは「小粒の鹿沼土など・肥料は一切やらない」ことが勧められています。
未熟な挿し木にとって栄養価が高い土はストレスになるからです。
しかし、筆者が作る挿し木用の土は鹿沼土ではありません。
ホームセンター店頭で集客用に販売されている低単価な培養土です。
実は4年前、偶然残っていた低単価の培養土で試しにやってみたところ、問題なく挿し木が成功したのです。
もしかしたら「低単価の培養土」がポイントかもしれません。
培養土と言えども、低単価なのでそこまで栄養価がないのでは・・・。
「アジサイは、切って土に刺せば増えるよ。」という、ご近所のご高齢の方の話もちょっと頷ける気がしますよね。

筆者の「挿し穂の植え方」と「土の選び方」は、偶然に成功している例かもしれません。
基本は、鹿沼土などの栄養価のない土がオススメです。
挿し木方法に絶対的なものはないので、筆者が毎年楽しく挿し木をするために行っている方法として参考までにされてください。
挿し穂を挿していく
挿し穂の準備が出来たら、事前に用意しておいた水をタップリ与えた挿し床に割りばしなどで穴をあけ、そこへ挿し穂を1本づつ挿します。
挿し木の説明で割りばしはよく出てくるのですが、筆者は植物を購入した時に付いてくる支柱を使用しています。
割りばしと比べ腐植することもなく、作業する周辺に何気にあるからです。
発根促進剤を使用する時は、挿す前に挿し穂下部に塗布しておきましょう。
ちなみに、筆者は使用したことはありません。
挿す時は、葉同士が当たらないように植えましょう。
挿し穂の下にも芽が付いていると発根率が高まるようですが、一番上以外の芽は必ず土で覆ってあげることが鉄則です。
直射日光が当たらない場所で管理する
3日間はタップリと水を与え、それ以降は土の表面が乾いて来たら水を与えましょう。
「明るい日陰」を意識することは大切です。
筆者の場合は、常緑樹シマトネリコの下に植えている秋色アジサイの株元あたりを定位置としています。
1ヶ月後に挿し木として生き生きとしてきたら、徐々に明るい日向へ移動させていきます。
いきなりはダメです。
「徐々に」というのがポイントですよ。
アジサイの挿し木成功のコツ
大きく膨らんだ芽
小さい芽と大きい芽がある時は、大きく膨らんだ芽を選びましょう。
同じ枝に育ちながら違いがあるということは、大きく膨らんだ芽の方に勢いがあり挿し木が成功する確率が上がるからです。
生命力のある芽とない芽、明らかですよね。
雨天時の効率的な作業

空気が乾燥している晴天時は避けて、曇り~小雨、または雨の後の作業がオススメです。
そして、カットしてから浸水するまでの時間短縮を心がけましょう。
挿した後は挿し穂に触らない

一度挿した挿し穂は絶対に動かしません。
挿し穂は、かなり繊細なようです。
アジサイの挿し木をマスターして梅雨時期のお庭を華やかにしましょう

初心者の方にとって、アジサイの挿し木は少しハードルが高いと思われるかもしれません。
しかし、一度トライしてみると想像よりもハードルが低いことを実感できると思います。
また、挿し木方法を習得すればベテラン感もありガーデニングの楽しさをさらに味わえるでしょう。
アジサイのプクッと膨らんだ芽をチェックしにお庭へ飛び出してみませんか。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡