シマトネリコはどんな木?/シマトネリコの「魅力」・「育て方」・「トラブル」を知ろう
シンボルツリーの代表格『シマトネリコ』

こんにちは、グリーンロケットです。
最近、シマトネリコが植えられている家をよく見かけますよね。
明るく涼やかで、とても素敵な木です。
しかし、たくさんの種類の庭木の中で、なぜシマトネリコを選ぶ人が多いのでしょう。
結論から言うと、シマトネリコは見た目以上に魅力が盛りだくさんの、幅広い人が満足する木だからです。
プロのエクステリア業者においても、「おしゃれでクレームが少ない木」といえばシマトネリコが挙がります。
そこでこの記事では、なぜシマトネリコが選ばれるのか、魅力を1つずつ探っていくとともに、シマトネリコの育て方や、育てる上での心配ごとについても解説します。
家にピッタリの庭木を探している方、人気のシマトネリコが気になる方にぜひ読んでいただければ嬉しいです。
こちらの記事は急いで読みたい方のために、目次の見出しを追うだけでも内容を理解いただけるようにしています。
詳しく知りたい方はこのまま読み進めていただくか、気になる小見出しをクリックしてご覧ください。
目次
シマトネリコとは
基本情報

属性:モクセイ科トネリコ属
シマトネリコの「シマ」は温暖な「島」を意味します。
タイプ:常緑樹高木(半落葉)
植栽可能地域:関東~沖縄
日照条件:日向~明るい日陰
性質:水やりは降雨のみ、成長が早い
耐暑性・耐寒性:あり(-3度くらいまで)、
花・実 鑑賞時期:5~9月
シマトネリコが選ばれる理由
モダンな雰囲気を作るシマトネリコ

シマトネリコは、繊細な枝にみずみずしい柔らかな葉をもち、誰がみてもナチュラルで好印象。
立派な樹姿で、家の顔となるシンボルツリーにうってつけの木です。
どんな住宅とも相性が良いといわれますが、とくに洋風な家との組合せはベストマッチ。
目に留まるポイントにシマトネリコを植えるだけで、家を明るくモダンに魅せる効果があります。
スタイリッシュな鉢に植えて、ベランダガーデニングの主役にするのも素敵ですね。
常緑樹のシマトネリコは、目隠しに最適

窓やベランダなど、外からの視線を遮りたい場合、高いフェンスで囲むと圧迫感がでてしまいますが、植物であれば自然な目隠しとなります。
シマトネリコは1年中葉のある常緑樹であり、高さや密度を、剪定で調整できるので目隠しに最適です。
室内からも緑がみえると、気持ちが和らぎますね。
シマトネリコも落葉しますが、落葉樹ほど一時期に大量の葉を落とすことがなく掃除がラクなのも良いですね。
実は、常緑樹で繊細な葉を持つ樹種はとても少なく、その点でも人気を集める木と言えます。
シマトネリコは日差しに強い
シマトネリコの原産は熱帯地方で、日本では沖縄に自生しています。
日差しに強い性質のため、強い日照りが続いても健康的で青々としています。
夏の暑さが厳しい日向の庭も、シマトネリコの枝葉の下は気持ちのよい木陰ができますよ。
一方、寒さに弱い面がありますが、温暖化の影響もあり、関東以西であれば常緑で越冬できます。
シマトネリコは剪定に強く、樹形が整いやすい

シマトネリコは、枝が横に広がりにくく放っておいても扇型の自然な樹形となります。
枝葉が茂ってきたら、内側を透くように剪定すれば、軽い樹形を維持できますよ。
木によっては剪定次第で枯れたり、枝が暴れて見栄えが悪くなることもありますが、シマトネリコは剪定に強い点も魅力です。
素人剪定は失敗がつきものですが、シマトネリコなら回復力が強く、新しい枝もきれいに伸びるので安心です。
シマトネリコは常緑樹の中でコストパフォーマンスが高い

シマトネリコは、他の常緑樹であるソヨゴやハイノキより生産しやすいことから低価格で手に入ります。
成長力があり、1~2年で立派な樹姿になるので、始めから大きなサイズを植えなくてもよいので安価で済みますね。
育てる上でも肥料や農薬などの管理コストがほとんどかからないため、長い目で見てもシマトネリコはコストパフォーマンスが高い植物と言えます。
シマトネリコは病害虫に強い
虫や病気が発生すると、美観が損なわれ、最悪枯れてしまう木もあります。
シマトネリコは、虫や病気に強いため、枯れる心配はほとんどありません。
幼木のときは虫による葉の食害もありますが、年々強くなり被害を受けにくくなります。
害虫が少ないことは、虫が苦手な人にとっては最大のメリットですね。
さらに薬を撒く必要もなく、安心です。
シマトネリコは花が咲き、翼果(実)がなる

シマトネリコは雄木・雌木があり、花が咲くのは雌木です。
5月下旬~7月にかけて、甘い香りの小さな花がふわふわと咲き、夏が終わるころ鞘のような実をつけます。
いつもはスマートな印象のシマトネリコが、白い花や実をもつと優しい印象に変わります。常緑樹でありながら季節を感じられる木でもあります。
シマトネリコの花言葉は『荘厳』『偉大』などがあります。
シンボルツリーにぴったりの、家を守ってくれるような花言葉もよいですね。
シマトネリコの育て方
シマトネリコの植え付け

シマトネリコは太陽が好きなので3時間以上日の当たる明るい場所に植え付けましょう。
性質上、マイナス3度を下回る地域・寒風が吹き付ける場所は、避けたほうが無難です。
根付いてしまえば、年に数回雪が降り積もる程度で枯れることはありません。
植え付けに最適な時期は春~入梅にかけてですが、1年中可能です。
土壌はあまり問いませんが、水はけの良い土に植えてしっかり水をあげましょう。
冬場の植え付けなら根元をバークチップや腐葉土等で覆い、霜の対策をすると万全です。
根が張るまでは風で倒れやすいので、支柱を立ててくださいね。
シマトネリコは、成長に伴い根が広がるため、地中で配管などに触れないか注意しましょう。
シマトネリコは、水やり不要

植え付け後は、乾燥しないよう1~2日に1度、水やりをしましょう。
時期にもよりますが1~2ヶ月で根付いてきます。
根づけば基本的に水やりは不要です。
日照りがつづき、1週間以上雨が降らないなら水をあげてください。
シマトネリコは、肥料も不要

シマトネリコは自然に成長する木ですので、肥料は特に不要です。
早く大きくしたいときに限り、年に1度(3月頃)に有機肥料か緩行性肥料を与えます。
もし葉色が薄くぼやけた感じなら、化成肥料で様子を見るとよいでしょう。
シマトネリコのトラブルQ&A
シマトネリコは大きくなりすぎて大変?

シマトネリコを調べると、自生地では樹高10m以上との情報もあり大木のイメージを持つ人も多いでしょう。
確かに何年も放置すると大きくなりますが、家庭でそこまで大きくなることはありません。また数年に1度、シマトネリコを丁度よい高さで切っておきましょう。
そうすれば、上に伸びにくくなり、管理しやすい大きさで維持できますよ。
シマトネリコは成長の早い植物で、春・夏は特に元気に成長します。
そこが短所とも言われますが、生命力が強いからこそ放任でも元気に育ってくれます。
なにかとダメージを受けやすい木より、大きくなってきたら芯を止めればよいので、気楽に育てられると思いますよ。
シマトネリコの葉が落ちてくるのはなぜ?

シマトネリコは寒さが少し苦手です。
厳しい寒さに当たると落葉したり、葉が茶色く枯れることがあります。
特に植え付け1年目の冬はほとんどの葉が落ちますが、春から夏に芽吹いてくるので心配ありません。
年数がたてば冬も常緑を保つようになります。
またシマトネリコは3月下旬~5月頃、新芽と入れ替わるように古い葉を落とします。
(この場合は、葉が黄色くなって落葉します。)
その時期は、落ち葉の量が増えますが、新芽をどんどん出す元気なサインです。
心配せずに新芽を楽しみに待ちましょう。
このサイクルがあるからこそ、常に柔らかく美しい葉が鑑賞できます。
寒冷地では育てられないの?
寒冷地の場合は、残念ながら屋外での冬越しが難しいので、室内の観葉植物として育てるのがおすすめです。
耐陰性があるので、明るい部屋なら鉢植えで元気に育てることができます。
シマトネリコなら葉が綺麗なのでインテリアにしても映えますね。
シマトネリコの植え付け可能地域
シマトネリコの植え付けは、関東地方平野部以西が目安です。
基本は植え付けの地域や冬の最低気温(シマトネリコは-4度まで)が目安となりますが、冬に北西の風が当たる場所では、葉を落としたり一部が枯れたりすることがあります。
また、逆に関東の山側や寒冷地でも、風の影響を受けない場所ではシマトネリコが葉を落とさない場合もあります。
このことから、地域だけでは一概に言えない場合もありますが、現状寒冷地に準ずる気候の地域は植え付けは厳しいといえます。
もし近所にシマトネリコが植えてあるときは、冬の状態を見て植え付け可能か判断するのもよいでしょう。
シマトネリコの冬の様子

シマトネリコは寒さに負けると、画像のように葉が茶色くなりやがて落葉します。

同時に、枝先も枯れ戻ってしまう場合があります。
シマトネリコが寒さで枯れた時の対処法

もし寒さで枯れ戻ってしまった場合も、シマトネリコは生育旺盛な木ですので、
写真のように枯れていないところから元気に目を吹き、次第に元の状態に戻ります。
枯れた部分をそのままにしておいても構いませんが、伸びる新芽の邪魔になりますので切っておくとよいでしょう。
シマトネリコの葉が食べられている!
シマトネリコは、病害虫が少ない木です。
ただチョウやガが飛んできて産卵し、その幼虫が葉を食べてしまうことがあります。
病害虫予防には、剪定して風通しを良くしておき、葉全体に日が当たるようにすると効果的です。
虫が目について気になる場合は、市販の住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカXファインスプレー 1000mlなどの薬剤がよく効きます。
大きめ幼虫がいたら枝ごと切って処分してしまいましょう。
ただ、2m以上のシマトネリコなら、病害虫に多少侵されても見栄えが変わることはなく、枯れることもめったにありません。
また、カブトムシが寄り付きやすく、幹をかじられることがあります。
まとめ
「見た目・育てやすさ・コスト」を重視するならシマトネリコにきまり

最後にシマトネリコの魅力や特徴をまとめましょう。
・常緑樹
・暑さに強い、寒さに弱い
・葉や樹形が綺麗
・どんな家でも相性が良い
・トータルコストが安い
・病害虫に強い
・水やり、肥料が不要
・成長が早め
・素人でも剪定できる
・屋内でも育てられる
でした。
シマトネリコはたくさんの長所がありますが、成長の早さが気になる方もいます。
たしかにシマトネリコの涼しげな樹形を保ちたいなら、枝葉の剪定は必要です。
しかし「常緑・小葉・株立・丈夫・安価」がすべて叶う樹はほとんどなく、剪定回数が多少多くても、この理想的な条件と比較すれば、やはりおすすめは「シマトネリコ」となるでしょう。
寒さが弱点であることから、寒冷地で育てる場合は鉢植えとなりますが、きっとどんな形でも、シマトネリコを眺めるたびに「良い木だな・・」と、しみじみ感じてもらえると思います。
なによりシマトネリコのきれいなライムグリーンの若葉は、唯一無二の美しさです。
ぜひシマトネリコを植えて、たくさんの魅力を実感してくださいね。
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この記事のライター
関西に住む、40代のワーキングママ&週末ガーデナーです。
家事・子育て・仕事・・と、やることいっぱい。
それでも素敵なお庭に憧れて、庭づくりをはじめました。
ズボラな私と相性のよい植物たちで、今は『頑張りすぎない小綺麗なお庭』がテーマ。
手間暇掛けたお庭づくりはセカンドライフにとっておいて、今はできることを少しづつ。
「忙しいけど、緑が欲しい!」そんな思いが叶えられるガーデニングをご提案します。