自宅で育てやすい果樹8選【庭植え・鉢植え】

自宅で育てやすい果樹とは?

イチジク

「初心者でも育てられる、育てやすい果樹ってないのかな…」と考えたことはありませんか?

果樹を育ててみたいけど、間違って栽培の難しいものを選んでしまって失敗…という災難は避けたいですよね。

そこでこの記事では、

・育てやすい果樹を選び時のポイント
・庭で育てやすい果樹5選
・鉢植えで育てやすい果樹3選

をそれぞれご紹介。

この記事を読めば、育てやすい果樹を選ぶ時の基準や、育てやすい果樹にはどんなものがあるのかがわかるようになります。

それでは早速参りましょう!

目次

  1. 自宅で育てやすい果樹とは?
  2. 初心者でも育てやすい果樹を選ぶ時の5つのポイント
    1. ポイント①:管理作業が少ない
    2. ポイント②:耐寒性・耐暑性が強い
    3. ポイント③:1本で育つ
    4. ポイント④:木が大きくなりすぎない
    5. ポイント⑤:虫がつきにくい
  3. 庭で育てやすいおすすめの果樹5選
    1. おすすめ①:イチジク
    2. おすすめ②:ブルーベリー
    3. おすすめ③:グーズベリー
    4. おすすめ④:グミ
    5. おすすめ⑤:ざくろ
  4. 鉢植えで育てやすいおすすめの果樹3選
    1. おすすめ①:ラズベリー
    2. おすすめ②:スモモ
    3. おすすめ③:ジューンベリー
  5. まとめ

初心者でも育てやすい果樹を選ぶ時の5つのポイント

初心者でも育てやすい果樹を選ぶ時のポイントは以下の5つ。

・管理作業が少ない
・耐寒性・耐暑性が強い
・1本で育つ
・木が大きくなりすぎない
・虫がつきにくい

1つずつ詳しく解説していきます。

ポイント①:管理作業が少ない

果樹はそれぞれ種類によって、かかる手間が異なります。やらなければならない作業の数が多い果樹だと、その分難易度が上がってしまうのです。

例えば、後ほどご紹介するイチジクは、年間を通して行う管理作業は収穫と剪定の2つだけ。
一方、栽培が難しいと言われるモモは、人工受粉、摘果、袋掛け、収穫、剪定と5つのステップがあります。

果樹栽培が初めてという初心者の方は、管理作業の少ないものを選ぶと育てやすいですよ。

ポイント②:耐寒性・耐暑性が強い

人間でも暑がり・寒がりという人がいるのと同じように、果樹の中でも暑さが苦手・寒さが苦手という果樹があります。

耐寒性・耐暑性が低いものを選んでしまうと、冬や夏に木が弱ったり、最悪の場合枯れてしまうこともあるのです。

例えば、レモンは寒さに弱く、-3℃以下になると枝葉が枯れてしまうことも。しかし一方で、りんごは寒さに強く、-25℃まで耐えられるといわれています。

育てやすい果樹を探すのであれば、暑さ、寒さにある程度強い果樹を選ぶのがおすすめです。

ポイント③:1本で育つ

果樹には1本だけ育てれば実をつけるものと、2本育てないと実をつけないものがあります。これは自分の花粉で受粉できるかできないかによって変わってくるのです。

2本育てる場合は1本育てる場合と比較すると、単純に手間が2倍かかってしまうので初心者の方には大変になります。

例えば、これも後ほどご紹介しますが、ざくろは自分の花粉で受粉できるため、1本育てればOK。
反対に、キウイはオスの株とメスの株があり、受粉を促すためにそれぞれを庭に植えないといけないので、2本育てる必要があるのです。

1本だけで育つものを選べば手間が少ないため、初めての方でも負担なく育てられますよ。

ポイント④:木が大きくなりすぎない

果樹は種類によって最終樹高が異なります。木が15mにも20mにもなるような種類を選ぶと、剪定や収穫などの管理が大変になってしまうのです。

例えば、秋の味覚でおなじみの栗は、放っておくと最大で15mくらいまで成長するといわれています。
一方、ブルーベリーは品種にもよりますが低いものだと1.5mほど。これだと身長くらいなのでかなり管理しやすいです。

樹高が高くなりすぎないかどうかも、育てやすい果樹を選ぶのにかなり重要なポイントになってきますよ。

ポイント⑤:虫がつきにくい

これは果樹に限らずですが、植物には虫はつきものです。しかし、虫がつきやすい果樹とつきにくい果樹がそれぞれ存在します。

虫の中には、せっかく育てた果樹の葉や実を食べてしまうものもいます。これはかなり悲しいですよね。

また、虫がつきやすい果樹を選んでしまったことにより、庭が虫だらけになってしまうのも避けたいところ。

例えば、グミという果樹は病害虫の心配がほとんどないため、食害や虫だらけになってしまうという心配は少ないでしょう。
反対に、モモは虫がつきやすく、育てるなら農薬による防除や袋掛けなど虫対策が必須となっています。

今から果樹を選ぶのであれば、虫がつきにくい果樹の方が育てやすいことは知っておいて損はないと思います。

庭で育てやすいおすすめの果樹5選

ここまで育てやすい果樹の選び方をご紹介してきましたが、そもそも果樹の種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからないという方も多いはず。

そこでここからは、庭で育てやすいおすすめの果樹を5つご紹介していきます。

ちなみに5つの果樹のラインナップは以下の通り。

・イチジク
・ブルーベリー
・グーズベリー
・グミ
・ざくろ

次章からは、それぞれの特徴を詳しくご紹介していきます。

おすすめ①:イチジク

イチジク

イチジクは上記の育てやすい果樹のポイントをほぼ全て抑えている、初心者にとても優しい果樹です。

主な管理作業は収穫と剪定だけ。1本で実をつけ、病害虫の心配も少ない。さらに最終樹高もどんな樹形にするかにもよりますが、おおよそ2〜3mほどと低めに抑えられます。

樹上で完熟させたイチジクの甘く濃厚な味わいは、市販されているものとは全く比べ物になりません。家庭栽培するからこそ食べられる味わいとなっています。

夏と秋の2回収穫を楽しめる「サルタン」、大きな実が成る「ロングドゥート」、糖度が30度前後になる「スイートカロン」など、品種によって特徴が大きく異なるので、好みのものを選んでくださいね。

おすすめ②:ブルーベリー

ブルーベリー

家庭果樹として最も人気が高いブルーベリー。その人気の秘密は実が美味しいのはもちろんのこと、その育てやすさにあります。

木が病害虫にとても強いため、農薬を使わなくても育てられます。こちらもイチジクと同じく管理作業は基本的には収穫と剪定だけ。実付きが悪い場合に人工授粉をするくらいです。そして何よりも木がコンパクト。脚立などがいらず、管理作業がしやすくなっています。

ただ、品種によっては2本植える必要があったり、寒さに弱くなったりというものもあります。

育てやすさを重視するなら、寒さに強く1本で実がつく「ハイブッシュ系」「サザンハイブッシュ系」を選ぶのがおすすめですよ。

おすすめ③:グーズベリー

生果が日持ちしないため、ほとんど流通することがないグーズベリー。家庭栽培だからこそ楽しめる果樹の1つといえるでしょう。

グーズベリーは管理作業が少なく病害虫にも強いので、ほとんど放任でも自然に育ってくれます。また、半日陰になるような場所でも育つから、日当たりの悪い環境に植えても大丈夫な優秀な果樹です。

ただ、暑さには弱いため、強い西日が当たるような場所に植えるのは避ける必要がある点は注意。

暑さにさえ対応すれば、初心者の方でも問題なく収穫までこぎつけられるでしょう。

おすすめ④:グミ

グミ

とにかく手間がかからないものを探しているならグミがおすすめ。

主な管理作業が収穫と剪定だけである他、やせた土地でも育つ強い果樹なので、ほとんど肥料も必要ありません。また、乾燥や雨風にも強くなっています。

ただ、1本で実をつける品種もあるのですが、そういった品種でも2品種植えた方が実付きが良くなるという特性があるので、収穫量を増やすなら2品種植えるのがおすすめ。

グミの中でもビックリグミという品種は渋みが少なく、甘みを感じやすいので食べやすいです。他の品種は渋みがあるため、ジャムなどの加工用に向いていますよ。

おすすめ⑤:ざくろ

ざくろ

ざくろは寒さ・暑さ、さらに乾燥にも強いので、北海道よりも南部であればどこでも育てられるといわれています。

さらに、どの品種でも1本で実をつけ、病害虫にも強い。もちろん管理作業もほとんどありません。初心者にとっていいことづくしな果樹となっているのです。

また、初夏にはオレンジがかったキレイな花を楽しめるのも嬉しいポイント。庭に彩りを与えてくれること間違いなしです。

ざくろの花

ざくろは育てやすいだけでなく美しい花も楽しめる、1本で2度美味しい果樹となっています。

鉢植えで育てやすいおすすめの果樹3選

ここまで庭で育てやすい果樹をご紹介してきましたが、この中に無いものでも鉢植えなら育てやすいというものも存在します。

それは以下の3種類。

・ラズベリー
・スモモ
・ジューンベリー

なぜ鉢植えならおすすめなのか?を中心に、それぞれ詳しく解説していきますね。

おすすめ①:ラズベリー

ラズベリー

ラズベリーは最終樹高が1〜1.5mと低く、さらにかかる手間も少ないため、初心者でも育てやすい果樹となっています。

ただ、地下茎といって地中で茎を伸ばす植物で、繁殖力が旺盛すぎるというデメリットも。
ですが、鉢植えで育てることで繁殖を制限することができ、デメリットをゼロにすることができるのです。

また、秋田県や山形県、北海道が主なラズベリー産地であることからもわかるように、夏の暑さと乾燥は苦手で冷涼な地域での栽培が向いています。育てるなら関東以北がおすすめ。

涼しい地域にお住まいなら、鉢植えでのラズベリー栽培をぜひ始めてみてください。

おすすめ②:スモモ

スモモ

スモモとモモは名前はとても似ていますが、育てやすさという点では大きく異なります。モモは管理作業が多いですが、スモモは管理作業が少なく手間がかからないので育てやすいのです。

病害虫もモモほど神経質にならなくてOK。さらに暑さ・寒さに強く、全国各地どこに住んでいても育てることができます。

ただ、スモモは放任していると最大で8m程度まで背が伸びてしまう場合も。鉢植えにすることで高さを抑えることができるので、鉢植え栽培がおすすめなのです。

スモモは品種によっては2品種以上植える必要のあるものもありますが、初心者の方は1本でも実を付ける「メスレー」や「サンタローザ」などが、育てやすいのでおすすめですよ。

おすすめ③:ジューンベリー

ジューンベリー

ジューンベリーは寒さや病害虫に強く、さらに1本植えておけば自家受粉するため実をつけてくれる育てやすい果樹です。

ただ、こちらもスモモと同じく高木になりやすく、放っておくと最大10m程度になるといわれており、管理が大変になってしまいます。

鉢植えにすることで、樹高が高くなりすぎるというデメリットがなくなり、育てやすい果樹になるのです。

また、育てやすいだけでなく、春には花や新緑、秋には紅葉も楽しめるため、庭木としても人気の高い果樹となっています。

まとめ

今回は、自宅で育てやすい果樹を8種類ご紹介してきました。

庭で育てやすい果樹は以下の5つ。

・イチジク
・ブルーベリー
・グーズベリー
・グミ
・ざくろ

庭植えで育てるよりも、鉢植えでなら育てやすい果樹は以下の3つ。

・ラズベリー
・スモモ
・ジューンベリー

上記のような育てやすい果樹は、何より初心者の方でも失敗しにくいのがメリット。また、手間も少なくなるので、忙しい方でも育てやすいという特徴もあります。

ぜひ育てやすい果樹を手に入れて、楽しい果樹栽培をスタートさせてくださいね。

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この記事のライター

オータク

農業関係の仕事をしている果樹ライター。よく農家さんのところにお邪魔してお話しています。
たくさんの果樹を育ててみたいが家の庭の広さが足りず現在葛藤中。

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