【希少】日本で育てられる珍しい果物|完熟果が市販されない果樹もご紹介

日本で育てられる珍しい果物にはどんなものがあるの?

ポポー

「せっかく育てるならスーパーで売っていないような珍しい果樹を育ててみたい。日本で育てられるものだとどんなものがあるんだろう?」と思っていませんか?

実は、日本で栽培されてても市場に流通しておらず、スーパーなどでは見かけることがない果物というのはたくさんあります。

その主な理由は、収穫してから果実が完熟するのが早すぎるから。これは逆を返せば、家庭栽培なら楽しめるということになります。

そこでこの記事では、日本で育てられる珍しい果物の中でも、果樹栽培初心者の方でも比較的育てやすいものを5種類ご紹介。

また、市場に流通はしているけれども、傷まないように早採りされていて普通では完熟果を味わうことができない果樹もあります。

でも、家庭栽培なら樹上で完熟を待つことが可能ですよね。今回は、そんな家庭栽培だからこそできる、市販されない完熟果が楽しめる果樹も合わせてご紹介していきます。

スーパーでは手に入らない珍しい果物を見つけて、楽しい果樹ライフをスタートさせてくださいね!

目次

  1. 日本で育てられる珍しい果物にはどんなものがあるの?
  2. 日本で育てられる珍しい果物を5種類ご紹介
    1. 日本で育てられる珍しい果物①:ポポー
    2. 日本で育てられる珍しい果物②:弓削瓢柑(ゆげひょうかん)
    3. 日本で育てられる珍しい果物③:サルナシ
    4. 日本で育てられる珍しい果物④:ジューンベリー
    5. 日本で育てられる珍しい果物⑤:フェイジョア
  3. 【家庭栽培だからこそ】市販されない完熟果が楽しめる果樹を4種類ご紹介
    1. 市販されない完熟果が楽しめる果樹①:いちじく
    2. 市販されない完熟果が楽しめる果樹②:ナシ
    3. 市販されない完熟果が楽しめる果樹③:モモ
    4. 市販されない完熟果が楽しめる果樹④:スモモ
  4. まとめ

日本で育てられる珍しい果物を5種類ご紹介

日本で育てられる珍しい果物の中でも比較的育てやすいものは、下記の5種類です。

・ポポー
・弓削瓢柑(ゆげひょうかん)
・サルナシ
・ジューンベリー
・フェイジョア

それぞれ詳しくご紹介していきますね。

日本で育てられる珍しい果物①:ポポー

ポポー

収穫から完熟までのスピードが非常に早く市場に出回らないため、「幻のフルーツ」と呼ばれることもあるポポー。その呼び名からも珍しさが伝わってきますよね。

こちらのポポー、実際に食べたことがあるのですが、マンゴーとバナナに少しパイナップルを加えたようなトロピカルな味がします。甘みが強く、酸味はほぼありません。

食感はかなり滑らか。「森のカスタードクリーム」とも呼ばれるほど、完熟すると濃厚なクリーム状の果肉になります。他にはない味・食感でなかなか美味しかったですよ。

ポポーは、樹皮や葉の部分に「アセトゲニン」という強い殺虫成分が入っているため、虫を寄せ付けません。そのため、無農薬でも育てられます。

さらに栽培管理も簡単。年間を通しての作業は人工受粉・摘果・収穫・剪定くらい。忙しい方でも育てやすい果樹となっています。

ポポーは珍しさ、美味しさ、育てやすさを備えた優秀な果樹。ぜひチャレンジしてみてください。

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日本で育てられる珍しい果物②:弓削瓢柑(ゆげひょうかん)

弓削瓢柑

弓削瓢柑(ゆげひょうかん)とは文旦の一種で、楕円形をした柑橘です。生産者の数が少なく収穫量が限られているため、流通量が少なくなっています。

ちなみに名前の由来はその生産地から。瀬戸内海の「弓削島」という場所で細々と栽培されていたことから、この名前が付けられたそうです。

文旦系なので柔らかな苦味がありますが、糖度13度程度と甘みがあるので食べやすくなっています。果肉はジューシーで、口に入れると一気に果汁が広がります。

皮は少し厚めですが柔らかいため、手で簡単に剥けます。お子さんも自分で剥けますよ。

他の柑橘類同様、耐寒性が弱いことには注意。栽培適地は関東以西となっています。寒い地域で育てたい場合は、冬季は屋内に入れられるよう鉢植えで育てるのがおすすめです。

日本で育てられる珍しい果物③:サルナシ

サルナシ

「猿が好んで食べた」という理由から名前が付いた(諸説あります)といわれるサルナシ。見た目も味もキウイのようですが長さ3cmほどと小さいため、「ベビーキウイ」とも呼ばれています。

ただ、キウイとは違って皮に毛がないため、皮ごと食べられます。また生食以外にも、ジャムや果実酒など、加工も可能。色々な楽しみ方があるのは嬉しいですよね。

サルナシは病害虫が少なく、無農薬でも栽培可能。虫が嫌いな方でも安心して育てられます。

ただ、雌雄異株の品種が多いため、品種選びには注意が必要。雌雄異株の品種を選ぶと雄株と雌株の2本育てる必要があるので、庭のスペースをしっかり準備しておく必要があります。

スペースが少ない方は、「光香」などの雌雄同性の株を選ぶのがおすすめ。また、雌雄異株でも鉢植えにすれば、収穫量は減りますが狭いスペースでも育てることができますよ。

日本で育てられる珍しい果物④:ジューンベリー

ジューンベリー

ベリー類の中でも珍しいジューンベリー。ブルーベリーやラズベリーは食べたことがあってても、ジューンベリーを食べたことがある方は少ないのではないでしょうか。

ジューンベリーの実は酸味が少なく優しい甘みを感じられます。生食で美味しく食べられるのはもちろん、ジャムや果実酒に加工されることも多いです。

美味しいだけでなく、栽培面でも優秀。耐寒性・耐陰性に優れ、さらに病害虫にも強いため、初心者の方でも安心して育てることができます。

ただ、強い西日が当たって乾燥する場所は苦手。このような場所に植えると実付きが悪くなるため、植え付けの際には西日が当たりすぎないか確認しておく必要があります。

また、品種によって最終樹高が4mのものから8mのものまで大きく異なるので、自宅のどんな場所に植えるのかによって品種を選定する必要があるのも覚えておきましょう。

日本で育てられる珍しい果物⑤:フェイジョア

フェイジョア

フェイジョアはポポーと同じく収穫してから完熟するまでが早いため、市場にほとんど流通しない珍しい果樹です。

たまたま近所の道の駅で売っていたので食べたことがあるのですが、味はモモと西洋なしを足して2で割ったような感じです。ちょっと想像しにくいかもしれませんが、なかなか風味豊かで美味しかったですよ。

フェイジョアの魅力は実だけでなく、その葉にもあります。表面は葉っぱらしい緑色をしていますが、裏面がシルバーリーフのようになっています。風になびくと色の変化が生まれるため、軽やかな雰囲気を演出可能。そのため、近年ではシンボルツリーとして人気を集めているのです。

また、葉が一年中落ちない常緑果樹なので、お家の目隠しとしても活躍してくれます。木の最終樹高も3〜4mと高すぎず、管理しやすいのもメリット。

多くの品種は自家受粉しないため2品種以上を植える必要がありますが、「アポロ」や「クーリッジ」など、1本で実をつけるものもあるので、2本植えるスペースが無い方はこういった品種を選びましょう。

【家庭栽培だからこそ】市販されない完熟果が楽しめる果樹を4種類ご紹介

家庭栽培だからこそ楽しめる、市販されない完熟果が楽しめる果樹は以下の4種類です。

・いちじく
・ナシ
・モモ
・スモモ

次章から、これらの特徴を1つずつ詳しく解説していきます。

市販されない完熟果が楽しめる果樹①:いちじく

いちじく

優しい甘さとプチプチ食感が魅力のいちじく。市販されているものも確かに美味しいのですが、樹上で完熟させることによって、もっと美味しくなるのです。

1番の違いは、甘さがより濃厚に感じられること。果肉がやわらかくなりねっとりし、香りも強くなるため、甘さを感じやすくなるのかもしれません。

自然受粉するため手間もかからず、1本で育つから大きなスペースも必要ありません。さらに植え付けた後にやることは収穫して剪定するくらい。栽培管理が非常に楽なので、初心者の方でも育てやすい果樹となっています。

夏と秋の2回収穫を楽しめる「サルタン」、大きな実が成る「ロングドゥート」、糖度が30度前後になる「スイートカロン」など、品種によって特徴が大きく異なるので「これだ!」というものを選べるのも魅力です。

市販されない完熟果が楽しめる果樹②:ナシ

ナシ

シャリッとした食感が魅力のナシ。ナシは市販されているものも水分をしっかり含んでいて美味しいですが、樹上で完熟させることでよりたくさんの果汁を含ませることができます。

また、ナシの香りも強くなります。これは一般的な丸いナシだけでなく、西洋ナシでも同じことが起きます。

ナシの栽培は正直なところ少し手間がかかります。ですが、その分果実ができた時の喜びはひとしお。実の味だけでなく、大きな達成感も得られます。

自家受粉しないため、2本一緒に植え付ける必要があります。おすすめは「幸水」と「豊水」の組み合わせ。幸水は甘み、豊水は程よい酸味とそれぞれ特徴が違うので、飽きずに美味しく食べることができますよ。

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市販されない完熟果が楽しめる果樹③:モモ

モモ

さっぱりとした甘さ、じゅわっとした果肉から人気の高いモモ。ですが、「スーパーで買ったモモが硬かった!」という経験をしたことがある方も多いはず。

樹上で完熟させたモモは果汁がさらに多くなるため、よりジューシーさを感じることができます。また香りも良くなり、口からだけでなく鼻からもモモを楽しめるのです。

モモは病害虫に非常に弱いので、初心者では栽培が難しいとされています。ですが、品種選びなどのちょっとしたコツを押さえれば、難易度は一気に下がります。

下記の記事で初心者の方でもわかるよう、コツや農薬のことを解説していますので、モモを栽培してみたいという方はぜひ覗いてみてください。

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市販されない完熟果が楽しめる果樹④:スモモ

スモモ

スモモといえば「酸っぱい」というイメージがある方も多いのではないでしょうか。

あの酸味は日持ちのために早採りされているから出るもので、実は完熟させたスモモは非常に甘く、ジューシーなのです。家庭栽培だからこそ楽しめる果樹の筆頭といえるでしょう。

スモモはモモと名前が似ていますが、モモほど病害虫に悩まされることはありません。さらに栽培に手間もかからないため、仕事などで忙しい方でも育てやすくなっています。

暑さ、寒さ両方に強く、全国で栽培されています。どこにお住まいでも育てることができますよ。

初心者の方は1本でも実を付ける「メスレー」や「サンタローザ」などが、品種間の相性を考えなくていいのでおすすめですよ。

まとめ

今回は、日本で育てられる珍しい果物、完熟果が市販されない果樹をご紹介しました。

日本で育てられる珍しい果物は、以下の5種類です。

・ポポー
・弓削瓢柑(ゆげひょうかん)
・サルナシ
・ジューンベリー
・フェイジョア

また、完熟果が市販されない果樹は以下の4種。

・いちじく
・ナシ
・モモ
・スモモ

珍しい果樹は自分で味わうのはもちろん、プレゼントとしても喜ばれること間違いなし。あなたが育てたとなれば、その価値は相手にとってより高いものとなるでしょう。

珍しい果物を育てて、価値ある体験を手に入れてくださいね。

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この記事のライター

オータク

農業関係の仕事をしている果樹ライター。よく農家さんのところにお邪魔してお話しています。
たくさんの果樹を育ててみたいが家の庭の広さが足りず現在葛藤中。

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