【大きくならない庭木】小さいスペースでも安心して植えられる植木4選
小さいお庭でも安心して植えられる庭木とは?

こんにちは。
グリーンロケットです。
お客様からよくあるご質問として、
「植える場所が狭いんですが、大きくならない何かいい植木ないですか?」
というものがあります。
大きくならない植木をお探しの理由としては、
・目隠しにちょっとした木を使いたい
・表の通りに近い場所やお隣との境界に近い場所に植えたい
・植えつける場所の真下に配管が十ていてあまり成長が旺盛だと配管が心配
・植木に興味があって植えてみたいけど、あまり大きくなる木は管理が大変そう
などいろいろなケースがあるかと思います。
今回はそんなご希望をお持ちの方のために、そこまで大きくならないけれど、シンボルツリーとして楽しめる植木を4つご紹介していきたいと思います。
今回想定しているお庭のスペースは、2㎡くらいです。幅と奥行きが最低そのくらいあれば余裕をもって植えられるオススメの植木のご紹介となります。
植木そのものは将来的に高さ2~3m程度、幅1.5m程度とコンパクトに収まるイメージでご紹介しております。
もちろん、もう少し大きくすることも可能です。
それでは早速まいりましょう!
目次
大きくならない庭木なら「中木」がおすすめ
小さなスペースに植えるシンボルツリーをお探しの方におすすめするのは「中木」です。中木を高木のように大きく仕立てて利用します。
中木は、高木ほど存在感やインパクトは出ません。
しかし、樹種をうまく選んだり、高木のように仕立てることで、それなりの存在感になってくれるため、お庭のシンボルにすることも可能なのです。
また、中木は比較的成長が早くなく、最終樹高が低いという特徴があります。
なので、
・メンテナンスが楽
・小さなスペースにも安心して植えることができる
というメリットもあります。
これらの理由から、中木は小さなスペースに植えるシンボルツリーにピッタリなのです。
中木をシンボルツリーに選ぶ際の注意点
一見メリットの多そうな中木ですが、注意点もあります。
中木は成長が遅いこともあって、初めから大きな状態のものが売っていることが多くありません。
そのため、中木を高木のようにすればよいといっても、苗木選びにコツがあったり、植えつけた後に上手に仕立てていく必要がある点は注意が必要です。
今回は、苗木選びのポイント、おすすめの仕立て方についても一緒に解説していきます。
シンボルツリー選びの参考にしてくださいね。
大きくならないおすすめの庭木①:ビバーナムティヌス

ビバーナムティヌスは、別名常緑ビバーナムで流通している木です。こちらは常緑樹で中木なので最終樹高も3m位。年間の成長も30㎝程度とゆっくりです。
耐寒性は-7℃程度。関東地方程度の気候でしたら育てることができます。

ビバーナムティヌスの良さはなんといっても花付きの良さ。写真のようにきれいな集合花を咲かせてくれます。シーズン(3月下旬~5月頃)になると白い花で覆われるので、見ていてとても楽しいです。
最終樹高も3m位で花も楽しめる。葉も小葉に近いので洋風な雰囲気のオシャレな木となっています。
苗木選びのポイント
苗木を選ぶ時は、あまり下の方に枝が強く出ていないものを選ぶのがおすすめ。
苗の下の方に枝がついていると木の上部に栄養がいきにくくなってしまうので、高さがでなくなってしまうことも。
高さがでないとシンボルツリーとしては少し寂しい感じになってしまいます。
仕立てる際に下部の枝を剪定する方法もありますが、苗木選びの段階で下枝が強く出ていないものを選ぶのが良いでしょう。
おすすめの仕立て方
ティヌス自体は海外では生垣にされており刈込みすることもできるので、どんな樹形にもできます。
刈り込んで三角形に仕立ててもいいですし、自然樹形にしたい場合は、少し込み合うので込み合ったところを切ると自然な感じになります。
自然樹形にしたい場合は、太くて硬い枝を切っていきましょう。枝は切り詰めるたびに、太く硬くなっていきますので、宜弱い枝と入れ替えを行うと柔らかい雰囲気になってくれます。

また、写真のようにぴょんと伸びたところを毎年切るだけでも樹形は維持できます。
大きくしたくない場合は、上を詰めていけばOKです。
大きくならないおすすめの庭木②:フェイジョア

大きくなりにくくてオシャレな植木といえば、今一番はこのフェイジョアではないかなと思います。
フェイジョアは常緑の中木で先ほど紹介したビバーナムティヌスと同じく、最終樹高は3m程度で、年間の成長も30㎝位です。
耐寒性は-7度くらいですので、育てる際はお住まいの地域の最低気温に注意する必要があります。

フェイジョアの魅力は葉が丸くて小さくかわいらしいのと、裏表の色が違うというところ。
裏側がシルバーリーフのようになっていて、風になびいたりすると色の変化が生まれて軽やかな雰囲気になります。
更に幹肌が明るい色をしているのもポイントです。幹肌が明るいことで、全体的な色味がきれいに見えます。
フェイジョアは果樹ですので実も楽しめますが、個人的にはそこまでプラスのポイントではないと思っております。(笑)
もしフェイジョアの実の収穫も楽しみたい方は、アポロなどの1本で実が結実する品種がおすすめ。しかし実をつけるとその重みで枝が垂れ下がり、樹形が暴れる原因にもなりますので注意が必要です。
苗木選びのポイント
フェイジョアの苗木は樹形が株立ち状や2本立ちになっているもの、下枝が強く出ているものなどいろんな形があります。
そのため苗木を選ぶ際は、「最初から将来の理想の形に近い苗木」を買うことがポイントになります。
例えば1本立ちでスラッとさせたい場合はそのような苗木、株立ち状にしたい場合は苗木に段階で株立ち上になっているものを選ぶのがおすすめです。

ちなみに、下枝が出ているものをそのまま残して育てると写真のようになります。下の方にボリュームが集まる感じですね。これは栄養が下の方で分散していくので、この育て方の場合は樹形が高くなりません。
シンボルツリーとしてある程度高さを出したい場合は、下からブッシュのようになってるものを選んでしまうと必要以上に剪定しないといけなくなるので後が大変です。
事前に「最終的にどのような形にしたいか」を決めてから、苗木を選びに行きましょう。
おすすめの仕立て方
フェイジョアは仕立て方次第でカッコいいフェイジョアにもなりますし、ちょっとイマイチなフェイジョアになってしまうこともあります。

もったいないフェイジョアの例としては、写真のように枝がびよんと伸びて間延びしてしまっているもの。剪定せず放任しているとこのようになってしまいます。
そのため、フェイジョアは定期的に枝を切り詰めて葉の密度を高く保った方が見た目が断然良くなります。
刈込もできますので、円錐形に刈り込んでもいいですし、間延びした枝を程よく詰めながら葉の密度を濃くしていくのもアリです。
大きくならないおすすめの庭木③:セイヨウニンジンボク

セイヨウニンジンボクはおそらくこれから注目されていく木だと思います。
こちらは落葉の中木で、最終樹高は3m程度、年間の成長も30㎝位です。
植栽可能地域は東北から九州までなので、寒さはあまり気にしなくても大丈夫です。

おすすめのポイントは細くて涼しげな葉と、紫色のきれいな花。
初夏の時期に咲くのですが、暑い夏にとても涼しげで、さらに青い空にキレイに生えるのが特徴となっています。
苗木選びのポイント
セイヨウニンジンボクは、初めから大きい状態の苗木はあまり売っていません。
そのため苗木選びの時点で将来的に理想の樹形に近いものを選んで、少しずつ理想の樹形に仕立てていくという事が必要です。
苗木選びのコツは、低いところから太くて短いわき枝があるものを選ばないこと。
シンボルツリーとして高さを出したい時に、結局切らなければならないからです。
もし下の方で太い枝が分岐しているものしかなくても、それが上までしっかり伸びていれば2本立ちや株立ちとして使うこともできます。
理想の樹形を想定してから、苗木を選ぶのがポイントです。
おすすめの仕立て方
セイヨウニンジンボクは、下枝を上げてお好みの高さで枝を広げる仕立て方がおすすめです。
こうすることで、上部に見事に葉が茂り、さらにたくさんの花も楽しむことができます。
とにかく葉が涼しげなので、高い位置で葉を繁らすとシンボルツリーとしての見栄えがとても良くなります。
大きくならないおすすめの庭木④:シルバープリペット

シルバープリペットは常緑の中木で、最終樹高は3m程度です。
あまり寒さに強くないので、茨城では、冬に葉を落としてしまいます。耐寒性は‐5度くらいです。
シルバープリペットの魅力は、斑の入った明るい葉っぱ。
また、シルバープリペットは花も楽しめるので、シンボルツリーとしても楽しめる木となっています。
詳しい人からすると「シルバープリペットは生垣に使う木じゃないの?」と思う人もいるのではないでしょうか?
実は仕立て方によっては、大きくならないシンボルツリーとして使うこともできるのです。
というのも、3m位までは割と成長が旺盛なのですが、そこから先は成長がそこまで早くなく、管理の仕方でそんなに大きくなっていかないのです。

こちらの写真は植木屋さん仲間の圃場にあったシルバープリペット。これで高さは3m、葉張は1.5m~1.8mくらいです。かなりいい感じではないでしょうか?
少しボリュームが出ているように見えますが、ここからの成長がそこまで早くないので管理もそんなに大変ではないと思います。
3m以降の成長がそこまで早くなく、メンテナンスも楽。そのためシルバープリペットは大きくならないシンボルツリーとしておすすめなのです。
苗木選びのポイント
シルバープリペットは、苗木のころからすらっと高さのあるものを選ぶとよいでしょう。
下の方からブッシュの様に何本も出ているものは、背が高くなりにくいので、なるべく1本棒か、1本太い幹プラス細い幹2本くらいのものが良いでしょう。
おすすめの仕立て方
苗木を植え、3年くらいはそのまま自然に枝を伸ばさせていきます。
そのあと大体2m位の自然樹形になってきたら、主要な幹と枝を残して、あとはその先も一回ブツっと切ってしまいます。
ブツブツと軸を作る剪定は比較的強剪定になるので、時期は春先から梅雨の間がいいと思います。
この軸を作る剪定は、グリーンロケットのYoutubeチャンネル内の「【木を小さくしたい】樹形を自在にコントロールする剪定」でやり方を紹介していますので、そちらをご覧いただくとわかりやすいかと思います。
まとめ
今回は大きくなりすぎない植木という事で、小さいスペースでも安心して植えられる植木をご紹介しました。
今回ご紹介した木はすべて中木なので、大きくなるには時間のかかる木です。そのため苗を購入するときもあまり大きなものが売っていないことが多いです。
ですので現実的には小さな苗を買ってきて、大きくきれいに仕立てていくという事が必要になるケースが多くあります。
そのため、今回はきれいな樹形の仕立て方も一緒にご案内しました。
また今回共通する注意点として、どうしても小さい苗を買って大きくするケースが多いと思います。
この小さい苗を植えるときは、結構建物の近くなどに植えてしまいがちなんですが、今回はシンボルツリーとして1.5㎡位まで大きくする想定ですので、それを考えて建物などからよく離して植えていただきたいと思います。
この記事が、あなたの庭木選びの参考になれば幸いです。
下記の動画では、今回の記事の内容をさらに詳しく解説しています。仕立て方をレクチャーしている映像もありますので、よろしければご覧ください。