スモークツリー葉ばかりで花が咲かない!プロが教える改善策5つ
スモークツリー葉ばかりで花が咲かないときのプロが教える改善策
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「うちのスモークツリー、葉ばかり茂って花が咲かない…」
そんなお悩み、意外と多いんです。
原因は剪定のタイミングや日当たり、品種選びなど、いくつか考えられます。
この記事では、花を咲かせるための改善策をプロの視点でご紹介します。
目次
葉ばかりで花が咲かないスモークツリー|考えられる5つの原因

スモークツリーが葉ばかり茂って、肝心の花が咲かない…。
そんなときは、以下のような原因が重なっているかもしれません。
・剪定のタイミングを間違えている
・栄養成長※に偏っていて花芽が育たない
・肥料の与えすぎで窒素過多になっている
・日当たりや土壌など、環境が合っていない
・花付きがよくない品種を選んでいる
これらの原因をふまえて、次の章では「花を咲かせるための改善策」を解説していきます。
今育てているスモークツリーの状態と照らし合わせながら、ぜひチェックしてみてください。
※栄養成長とは、枝や葉の成長に栄養が使われている状態。花芽にエネルギーが回らず、花が咲きにくくなります。
スモークツリーの花を咲かせる!プロが教える5つの改善策

花が咲かない原因をふまえた上で、ここからはスモークツリーにしっかり花を咲かせるための改善策を5つご紹介します。
どれも難しい作業ではないので、ご自宅の環境に合わせてできるところから試してみてください。
剪定は花芽ができる7月中に終わらせる
スモークツリーの花芽は、夏(7月頃)には翌年分が形成され始めます。
なのでそれ以降に剪定してしまうと、せっかくの花芽を切り落としてしまうことに。
剪定をするなら、遅くとも7月中には終えるようにしてください。
どうしても花芽形成期の11月〜2月に剪定をする場合は、最小限にとどめましょう。
肥料は休眠期の寒肥で十分
それほど多くの肥料を必要としない植物です。
そのため肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが育つ「栄養成長」に偏り、花付きが悪くなります。
肥料は年1回、冬(12〜2月)の休眠期に寒肥として与えるだけで十分です。
この時期に、骨粉入りのぼかし肥料など、緩やかに効く有機肥料を土にすき込んでおきましょう。
※栄養成長とは、枝や葉の成長に栄養が使われている状態。花芽にエネルギーが回らず、花が咲きにくくなります。
6時間以上の直射日光を確保する
日当たりが悪くても花芽がつきにくくなります。
植える場所や鉢の置き場所は、1日6時間以上直射日光が当たる場所を選びましょう。
西日が当たる場所でも育ちますが、土が乾きやすくなるため、水切れに注意しこまめに水やりをしてください。
1鉢植えは2年おきに植替えをする
成長が早く、鉢植えでは根詰まりを起こしやすい植物です。
根詰まりが進むと、水を与えても吸収されにくくなり、生育全体に悪影響が出てきます。
2年に1回を目安に植え替えをし、根を軽くほぐして新しい土に入れ替えましょう。
植え替えの適期は、春の3月か、秋の11月です。
花付きのいい品種を選ぶ
もともと花付きが控えめな品種もあります。
たとえば「ロイヤルパープル」は葉色が美しく人気がありますが、花付きはやや少なめの傾向。
しっかり花を楽しみたい方には、花穂が大きく華やかな中型〜大型品種の「ピンクパール」や「ベルベットクローク」がおすすめです。
コンパクトに育てたい場合は、矮性品種の「リトルルビー」や「ルビーハート」などが人気です。
よくある質問|スモークツリーの花が咲かない編
スモークツリーの花が咲かないときに、よく寄せられる質問をまとめました。
「うちのケースはどうだろう?」と感じた方は、ぜひ目をとおしてみてください。
鉢植えだとスモークツリーの花は咲きにくい?

鉢植えでも花は咲きますが、地植えに比べるとやや咲きにくい傾向です。
それは、スモークツリーは成長が早いため根詰まりや水切れが起きやすく、栄養や水分の吸収が十分に行われなくなるからです。
2年に1回を目安に植え替えをし、日当たりの良い場所で管理すれば、鉢植えでもたくさんの花を楽しめます。
剪定したら翌年咲かなくなった…どうすれば?
スモークツリーの花芽は、前年の夏頃からつくられ始めます。
そのため、秋〜冬に剪定をしてしまうと、せっかくの花芽を切り落としてしまい、翌年は花が咲かなくなることがあります。
対策としては、剪定は遅くとも7月中に終わらせるようにしましょう。
剪定しすぎてしまった場合でも、株が元気であれば翌年以降にまた花をつける可能性があります。
そのまま1年様子を見てください。
このとき、心配だからといって肥料をたくさん与えるのは逆効果です。
栄養が枝や葉の成長に偏り、花芽がさらにつきにくくなることがあります。
肥料は控えめにして、冬の寒肥だけにとどめて見守ってあげてください。
ロイヤルパープルは花付きが悪いって本当?
はい、本当です。
「ロイヤルパープル」は葉色の美しさで人気のある品種ですが、花付きはやや少なめです。
花をしっかり楽しみたい方は、「グレース」や「ピンクパール」「ベルベットクローク」などの多花性品種を検討してみてください。
今年咲かなかったら来年も期待できない?
いいえ、そんなことはありません。
剪定の時期や肥料の与え方、日当たりなどを見直せば、翌年以降にまた花が咲く可能性は十分あります。
以下のような原因がないか、一度チェックしてみましょう。
・剪定のタイミングを間違えている
・栄養成長に偏っていて花芽が育たない
・肥料の与えすぎで窒素過多になっている
・日当たりや土壌など、環境が合っていない
・花付きが少ない品種を選んでいる
一度咲かなかったからといって、あきらめる必要はありません。
栽培環境を整えて、まずは来年を楽しみに待ってみましょう。
雄株だから咲かないって聞いたけど本当?
スモークツリーには雄株と雌株がありますが、花(煙のように見える花穂)はどちらの株にも咲きます。
ただし、雌株のほうが、ふんわりとした煙状の花が出やすい傾向があります。
そのため「花が咲かないのは雄株だから」とは一概には言えません。
咲かない原因は、育て方や環境にある場合がほとんどです。
まとめ

スモークツリーが咲かない原因は、剪定の時期や肥料の与えすぎ、日当たり不足など、ちょっとした管理のズレかもしれません。
剪定は7月までに、肥料は冬の寒肥だけ、日当たりはしっかり確保する──
この3つを意識するだけでも、花付きはぐんとよくなります。
今年咲かなかったからといってあきらめず、できるところから見直して、来年の開花を楽しみに待ちましょう。
この記事のライター
造園歴20年+αの植木屋&ガーデニングライター
★造園施工管理1級 ★造園技能士2級
植物の魅力を最大限に引き出し、美しく花咲く庭づくりをサポートするのがモットーです。
これまで培ってきた経験と知識を活かし、初心者の方にもわかりやすく植木や花のことをお伝えします。
「ほんの少しの工夫で、誰もが振り返る庭に」
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