魅惑のクリスマスローズにチャレンジ!特徴と育て方をご紹介します
クリスマスローズを育てたいと思っている方へ

冬のナチュラルガーデンによく合う人気の宿根草「クリスマスローズ」。
そんな魅力あるクリスマスローズを育ててみたいけれど、枯らせてしまいそうで不安、という方のために、こちらの記事では、魅惑のクリスマスローズと初心者でも簡単にできる育て方のコツを、グリーンアドバイザー兼クリスマスローズ専門家の山田が解説していきます。
この記事は、お忙しい方のために、目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか、気になる小見出しをクリックしてみてくださいね。
目次
クリスマスローズとは

クリスマスローズは、お庭に花がない時期に、お庭を彩ってくれる人気の宿根草です。
うつむいて咲く姿は、楚々として美しく、茶花(茶道で飾るお花)に利用されることもあります。花壇、庭植えのほか、鉢植えでも育てられるので、お庭が狭い方やベランダ園芸でも育てることができます。
一般的に販売されているクリスマスローズは、赤、ピンク、紫、白などの色とりどりの種類があり、これらは園芸交配種で「ガーデンハイブリッド」や「ヒブリダス」などと呼ばれます。
山野草を扱うお店などでは、緑色の楚々としたクリスマスローズの原種が販売されることもあります。原種は、育て方がやや難しいですが、コツさえつかめば育てることも十分可能です。
クリスマスローズの分類
■学名:helleborus(ヘレボルス)
■科属:キンポウゲ科ヘレボルス属
■別名:ヘレボルス、レンテンローズ、初雪おこし、寒芍薬、冬の貴婦人など
■耐寒性:強い
■耐暑性:普通~やや弱い
■原産地:ヨーロッパ地中海沿岸、(H.チベタヌスのみ中国)
クリスマスローズという名は、本当は間違い?

※画像はニゲル
「クリスマスローズ」の本当の名前は「ヘレボルス」といいます。本来、クリスマスローズとは、ヘレボルスの中の原種のひとつで、早咲きの「ニゲル」という、背が低めの白い花を咲かせる品種のことを指します。
ヘレボルスの中の、ニゲル=クリスマスローズ ということですね。
ヨーロッパの伝説の中で、羊飼いの少女がキリストに捧げた花としてH.ニゲルが登場することからこの花が「クリスマスローズ」と呼ばれるようになりました。
クリスマスローズは、実は流通名。
日本では、ニゲルのみならず、ヘレボルス全般のことを流通名として「クリスマスローズ」と呼ぶことにしました。なぜなら、名前の響きが素敵だからという商戦です。これが大ヒットしました。
外国の方にとって「Christmas Rose」というと、ニゲルという原種を意味しますので「クリスマスローズ」と話しても話がかみ合わないかもしれません。確かに、ヘレボルスという名前で流通していたら、ここまで人気にならなかったかもしれませんね。
クリスマスローズの魅力
クリスマスローズは、ふたつとない花。オンリーワンの魅力

クリスマスローズの魅力は、真冬のお庭に花のない時期に咲いてくれることも魅力の一つですが、なんといっても「ふたつとして同じ花がない」ことが最大の魅力です。
園芸店に並ぶクリスマスローズには大きく分けて「交配種(実生)」と「メリクロン」があります。
「メリクロン」というのは、フラスコの中で組織培養されたクローンなので、すべて同じ花を咲かせます。しかし、世にあるほとんどのクリスマスローズは、「ガーデンハイブリッド(ヒブリダス)」と呼ばれる交配種なのです。
交配で生まれるバリエーション
この交配により、クリスマスローズは様々なバリエーションが誕生します。
たとえば、ピンクの花に白い花の花粉を付けると、親そっくりな花が生まれる場合もあれば、持っている遺伝子により、赤や紫、グリーンなど、思いもよらない花が生まれることがあります。
同じピンクだとしても、花が八重だったり、一重だったり、スポットや覆輪、小輪、大輪、かわいい系、ゴージャス系、詫びさび系など、様々なバリエーションが生まれます。
好みのタイプやお庭の雰囲気に合わせて「今度はどんなクリスマスローズを買おうかな?」とついつい、ふたつとない花たちをコレクションしたくなる魅力があります。
収集癖がある人は底なし沼にはまってしまうかもしれませんね。
クリスマスローズの育て方

※画像は関東基準の育て方です。
日本の高温多湿の夏の暑さが苦手です。風通しがよく西日が当たらない場所で育てましょう。用土は、軽石を混ぜたり、地植えなら腐葉土などをすき込んだり、水はけがよいように工夫するとよいでしょう。
水・肥料
水やりは、地植えは降雨があれば特に必要ありません。鉢植えは、表土が乾いたらしっかり与えましょう。肥料は夏の休眠期には与えないように注意してくださいね。蒸れて枯れてしまいます。
冬越し
耐寒性は非常に強く、真冬でも屋外で育てられます。冬の寒さに当たらないと花芽が上がりませんので、暖かい室内には取り込まないようにしましょう。
まとめ
クリスマスローズにチャレンジしよう!
クリスマスローズの特徴と育て方について、簡単に解説しましたが、いかがでしたでしょうか。夏の高温多湿に気を付け、水はけと風通し良く育てれば、どなたでも簡単に育てられます。冬になれば、玄関アプローチやシンボルツリーの下草に、きれいな花を咲かせてくれますよ。冬を彩るクリスマスローズに、皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね。
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この記事のライター
クリスマスローズ専門店「冥王堂」店長。 家庭園芸普及協会グリーンアドバイザー。「クリスマスローズの世界展」にて特別賞・ミヨシ賞の受賞実績あり。ウェブサイトにて植物図鑑の執筆のほか、YouTubeチャンネルで園芸講師も担当。NHK出版など園芸専門誌にも多数取材協力を行う。現在は社会貢献のために行政の里親認定を受け、虐待保護児童の社会的養育にも注力する。