雑草抑制効果の高いグランドカバー ヒメイワダレソウ(リッピア)の育て方と注意点
ヒメイワダレソウとは

ヒメイワダレソウは、ペルー原産の植物ですが日本にも自生しているなじみの深い植物です。
近年では、その地被(ちひ)力の強さ、生長の旺盛さから、広範囲の雑草抑制のグランドカバーとして注目されています。
もちろんお庭に植える植物としても、日々忙しい方の味方といえるでしょう。
また雑草抑制のグランドカバーでは珍しく可愛らしい花も楽しめるという特典付きです。
今回はそんなヒメイワダレソウの魅力と育て方、そして、成長力旺盛だけにお庭に植える際の注意点を、実際に育てた経験の中から併せてご案内したいと思います。
※イワダレソウの品種に属する「クラピア」という、日本で生まれた品種もあります。ヒメイワダレソウと比べて繁殖力が速いので、一般のご家庭のお庭には、ヒメイワダレソウを植えることをオススメしています。
目次
ヒメイワダレソウの基本情報
科・属名:クマツヅラ科・イワダレソウ属
原産地 ミクロネシア、ペルー
開花期 6~9月
花の色 白、ピンク
別名 リッピア 姫岩垂草
ヒメイワダレソウの特徴1:可愛らしい花
ヒメイワダレソウの花

ヒメイワダレソウは小さくて可愛らしい花を、6月から9月までの間に咲かせます。雑草抑制を期待できるグランドカバーの中では珍しい特徴です。
ヒメイワダレソウの特徴2:圧倒的な地被力と雑草抑制効果

ヒメイワダレソウは、茎が地面を這うように伸びて、一定の間隔で各節から根を出して定着します。
また、繁殖力は芝生の20倍という驚異のパワーがあり、他の雑草の成長を妨げ、雑草抑制効果の役割も担ってくれます。
ヒメイワダレソウの特徴3:強い耐踏圧性

ヒメイワダレソウは刈り込みに強く、耐寒性や耐暑性にも優れ、耐踏圧性もある事から、芝生に代わる新しいグランドカバーとして注目されています。アプローチに張り出したヒメイワダレソウは踏まれても伸び続けていきます。
(芝生との比較を別の記事でまとめていますのでぜひご覧ください)
ヒメイワダレソウの育て方1:植え付け
・植え付け環境
基本的に土壌は選ばないといえます。逆に、荒れ地でもグングン成長していく事もありますので気にせず植えてみるのも良いでしょう。
・日当たり
陽当たりの良い場所がオススメです。日陰・半日陰でも大丈夫ですが、花付きが悪くひょろひょろした感じになります。成長が早いので、鉢ではなく地植えにしましょう。
・植えつけ間隔
1㎡あたり、3~4ポット。成長の目安:3ヶ月で50㎝四方まで覆います。密に植えるほど、地面を被覆するスピードは早くなります。
・水
植え付け時にしっかりと与えます。植え付け1年目の真夏はこまめに水やりが必要ですが、それ以外は必要ありません。
・肥料
成長力が強いので、元肥も追い肥も必要ないでしょう。
ヒメイワダレソウ育て方2:管理方法
植え付けまで終わり、あとはグングン伸びてくれる事を祈るだけですが伸びたら伸びたで、色々な不安や疑問が出てくるものです。
「何かしないといけないんじゃないか?」という、根拠のない不安。
でも、大丈夫です。
生命力・繁殖力に優れたヒメイワダレソウは、みなさんの手から離れ、自力でグングンと成長し始め、ふと気づいた時には土だらけだったお庭を緑のカーペットで覆ってくれることでしょう。
その中で、みなさんが行う事は、以下の通りになります。
ヒメイワダレソウ育て方3:刈り込み
ヒメイワダレソウが伸びてきたなと思ったときに、下記の通り刈り込みを行ってください。
梅雨前と地上部が枯れた真冬の年2回行います。梅雨前の刈り込みは、蒸れ防止のためです。真冬の刈り込みは、古い枝葉を刈り込むことで、春以降の新しい枝葉を促します。
と難しく感じますが、伸びすぎたところをカットしていれば問題ありません。
ヒメイワダレソウ育て方4:その他の管理はほぼ不要
水やり
根付いた後は、ほぼ必要ありません。
病害虫
ほとんど発生しません。
いかがですか?梅雨前と真冬の刈り込みさえ行えば、後は放置していても大丈夫な植物だという事が分かって頂けたと思います。
みなさんのお庭スペースに、ヒメイワダレソウが生き生きと育つ!そんな未来を頭に思い描くことが出来たでしょうか?
ヒメイワダレソウのこれだけは注意しましょう!
ヒメイワダレソウの植え付けは、広い場所に

ヒメイワダレソウを植え付ける際は、狭い場所は避けるようにしましょう。
繁殖力が強いという事は、言い換えれば、グングン育ちあっという間に広がってしまうということです。他の観賞用の植物まで覆われて失敗してしまったという事もありますので、ある程度広い場所に植え付けることが重要です。
ヒメイワダレソウの失敗談
筆者の失敗経験談になりますが、新築時に玄関前の2×6mの庭にヒメイワダレソウを4苗ほど植えていただきました。
2年目には庭以外の部分まで覆いつくしてくれました。3年目、忙しくて、真冬のカットさえ行わずに完全に放置していたら、冬の枯れた茎や葉の上に覆いかぶさるように、新しい茎と葉が伸び始め、何層にも重なるミルフィーユ状態になりました。
その後、何層にも重なるヒメイワダレソウのカットには、苦労いたしました。
逆に、広い土地に植えた友人は、手入れをすることがないようで子供達が裸足で駆け回り、さらに踏まれる事で、生き生きと育っていたような気がします。
なるべく広い場所の方が伸び伸びと育ち、ヒメイワダレソウの良さが引き立つのかもしれません。
ヒメイワダレソウの冬の状態

ヒメイワダレソウは、冬に枯れたように茶色くなります。そして春になると芽吹きだし、緑色の状態に戻ります。
ヒメイワダレソウのまとめ

さあ、実際にお庭に植えた筆者の経験から、ヒメイワダレソウの魅力と注意点をご案内しました。
ヒメイワダレソウは、場所の見極めを行い、適した時期に刈り込みさえ行えば、デメリットも少なく、初心者の方でも育てやすい植物です。広範囲のお庭の雑草管理を考えたら、年に二回の刈り込みで済むのであれば、楽ちんではないでしょうか。
もちろん管理をすればほかの植物と合わせて植えることも可能です。
ヒメイワダレソウで埋め尽くされたお庭で駆け回るお子様たちの笑顔。御自宅から視線をお庭に移し、お庭リビングを楽しみませんか?
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡